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色は日常に当たり前のように存在しています。そして、意識するしないにかかわらず、私たちは色の影響を受けているのです。カラーマーケティングといっても、色の使われ方は多様で、パッケージや商品の色だけに限らず、販売促進、そして企業や人のイメージ戦略、また、商業施設や病院、美容院など様々な環境での色彩計画、そしてセラピーなど、様々な分野に及びます。ここでは様々な角度から事例を紹介し、色を付加価値として取り入れていく方法をお話ししたいと思います。

東京スカイツリーの色の秘密

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我がオフィスから見える東京スカイツリー

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かなり距離があるため、この写真だと新宿のビル群と同じくらいの大きさに見えるのですが、400mを超えたということで、実際に足を運んでみました。

 

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近くまで来ると、想像以上に大きいですね!!
写真にも入りきれません。

 

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ほぼ真下から撮るとこういう感じです。

 

今回はこのスカイツリーの色についてお話したいと思います。

スカイツリーの色は、「スカイツリーホワイト」と言われる色が使われています。
真っ白に見えますが、実はこの色、「藍白(あいじろ)」と言って、日本の伝統色なのです。
藍染を行う時に最初の過程で得られる極めて薄い藍色で、わずかに青い白と言うよりも、ほとんど白に近い色なのですが・・・

このスカイツリーにも、藍染め職人の技法が用いられ、白磁のようにかすかに青みがかった白が、繊細な輝きを放ちます。
しかも、青空や夕焼け、そして四季折々の様々な風景と溶け込むように、「藍白」にしたそうです。

実はこの「藍白」。別名「白殺し」とも言うんですね。
なぜかと言うと、白は本来、明度(明るさ)が一番高い色。
その中で、「真っ白」ではきつくて眩しすぎるので、藍をほんのり加えて白を殺すことからそう呼ばれています。

日本は昔からはっきりした色よりもあいまいな色が好まれた文化。
今に至るまで、その感性が反映されているのはうれしいですよね。

また、白は日本の伝統的な美意識を表わす色であり、他とは違うというシンボル性を想起させる色であることもあり、
この「スカイツリーブルー」が誕生したそうです。

ところで、以前は、60m以上の鉄塔、煙突などの構造物は、「昼間障害標識」と呼ばれてて、赤と白に塗装しなければならなかったのです。だから東京タワーは赤と白なんですね。

でも今は、景観上の兼ね合いで、「高光度航空障害灯」または「中光度白色航空障害灯」を設置している物件は、高さによる昼間障害標識の設置義務はなくなっているそうです。
だからスカイツリーは白でもいいのですね。

日本の伝統美と近未来的デザインの融合を現わすスカイツリー。
完成が楽しみですよね!

 

 

 

 

 

 

 

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