ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
昨日、Zyngaの看板ソーシャル農場ゲーム・FarmVilleに、Hot Rod Tractorという新アイテムがリリースされました。このアイテムはこれまでのアイテムと一線を画す特徴を持っており、ソーシャルゲームの現状について、いくつかの示唆を与えてくれるので、ここに考えを少し書いてみたいと思います。
このトラクターを購入するには、「(Zyngaが運営する別のゲームである)Mafia Warsにおいてレベル10以上であること」という条件を満たす必要があります。これまでも販売期間や在庫数などの点で条件を設定することがありましたが、今回のように別ゲームでのパラメータ(変数)を条件とした点はとても新鮮です。
FarmVilleの新しいトラクター(ちょっと痛車風?)

この条件つきアイテムの公開により、ZyngaはFarmVilleの利用を促進するだけでなく、むしろFarmVilleに集まった7400万人のアクティブユーザーをMafia Warsに送ることを狙っています。インセンティブがあるという意味で、ゲームのラインナップを単に表示するバナーよりも確実に送客効果がありそうです。
FarmVilleは、先行した競合ゲームのFarm Townから要所を学習し、爆発的にヒットしたと言われます。いわばMySpaceを追って成功したfacebookのポジションです。そしてトップに立ったZyngaが採用した戦略は、Cafe World→FishVille→PetVilleという風に、FarmVilleの基本的なゲームモデルを踏襲したまま、ゲームテーマを水平展開させるというものでした。
今日のトラクターというアイテムは、水平的なゲーム間送客にこそ寄与すれど、戦略自体を進化させるものではありません。それどころか、Zyngaは第二、第三のFarmVilleを生み出し続けることにも苦戦しています。
一つの理由は、どんなにおもしろいゲームもユーザーはいつか「飽きる」という事実です。ユーザーは「FarmVille型」ゲームに飽き始めています。友人の畑を耕し合ったり、友人と成績を競い合ったり、といった「原始的なソーシャル要素」はすでにコモディティ化しており、これからは細かなプロフィール情報やストリーム情報などを利用したゲームの開発も求められるかもしれません。
ただ、陳腐化という避けられない流れの中で、Zyngaは最良の打ち手を取り続けていることも事実です。現状では、facebookがプラットフォームを提供する→Zyngaがユーザーに「滞在する動機」と「友達を呼ぶ動機」を植えつける、というフィードバックループはうまく回っていますし、パイが増えている今のうちは、ゲームの水平展開が十分に機能するのだと思います。立ち上がったばかりの日本のSNSゲームでは、当然この戦略がしばらく奏功すると考えられます。
巨額の資金を調達したZyngaが、新しいステージをユーザーに披露してくれることを期待しています。。。
ちなみにFarmVilleは農場がテーマなのに、サーカスのアイテムを出し始めたときはネタ切れだと思いましたが、その後もしぶとくいろいろなアイテムを投入していますね。あの徹底ぶりは大きな強みだなと感じます。

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