ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
Twitterというサービスは、140字という字数制限のために、時間を割いて情報を「編集する」必要がありません。そのため、頭に浮かんだことをすぐに発信でき、リアルタイムな情報が集まるようになりました。そこで、集まったリアルタイム情報を役立てようと、いろいろな角度からするサービスがいくつか現れています。
例えば、Twitter内に現れるURLを、言及された回数を基準にして序列化し、リアルタイムなトレンドとして見せるTweetmemeや、キーワードの盛り上がり具合をウォッチして、グラフやタグクラウドの形で可視化するTwitscoopなどがあります。また、Twitter以外のWebサービス(diggのようなニュース投稿サイトなど)も横断的に検索するものとして、OneRiotやScooplerというサービスがあります。ちなみにTwitter自身もSummizeという企業を買収し、Twitter Searchとして検索機能を提供しています。

これらのサービスは、Tweetmemeを除いて苦戦しています。その理由は一つではないと思いますが、例えば、Twitter内を流れるリアルタイムな情報は
- 構造化されていない
- 編集されていない
という特性を持っています。
1の特性に対して、Twitscoopの戦略は、Twitter内の文中に頻出するキーワードをトレンドと見なし、グラフやタグクラウドなどの形で表示するというものでした。しかし、キーワードだけが表示されても、そのキーワードがなぜ盛り上がっているのか、一見したところでは理由がわかりづらいという問題があります。また、これは解決しうる問題ですが、あるキーワードが他のキーワードに比べて相対的にどのくらい盛り上がっているのかが不明です(そもそも数値指標もありません)。
一方、TweetmemeやOneRiotは、1の特性に対して、Twitter内のテキストを解析するという挑戦を避け、Twitter外にある構造化されたデータ、つまりリンク先記事のタイトル文を表示するという手段をとりました。これによって、URLの登場回数という明確な指標で順位付けした、リンク先記事タイトルの集合ができあがっています。ただ、diggの再発明のようにも思えます。
また、上記2の「編集されていない」という特性は、「不正確、断片的、または無意味」な情報(ノイズ)を生む可能性があります。Twitterをリアルタイムに検索するScooplerは、時折ノイズを表示する結果となっています。「いや、それはノイズじゃなくて、新しい価値を持った情報なんだ」、という意見もありそうですが。

情報に人々がアプローチする方法は検索だけではなく、むしろキーワード検索というアプローチは、明確な目的と、キーワードと、能動的な姿勢があるときにしか生まれないアプローチです。つまり、それ以外のアプローチ方法が役立つ場合も少なからずあります。例えば、偶発的な「発見」を促したり、「推薦」をしたり、言語以外の方法で「可視化」したりという方法です。そして、こうしたアプローチを実現するためには、データに対して何らかの統計的処理をすることが不可欠です。
しかし、前述したように、Twitterのリアルタイム情報は、それ単体では処理が難しいもののように見えます。URLとセットにしない限り処理しづらく、かといってURLつきの発言を解析したとしても、ソーシャルブックマークサービスの亜種にとどまります。これはTwitterというデファクトスタンダードの、仕様上の特徴であり、悲観的に言えば限界でもあります。
また、URL+コメントという形式以外のリアルタイム情報は、その多くが直感的・感情的な発言だと思いますが、そもそもそうした発言を解析して、ユーザー全体としての傾向をつかんだところで、果たして役に立つのか、という疑問が私にはあります。「たった今」発信された感情を、「すぐに」把握しなければならないようなシチュエーションがあるのかどうか。
Twitterをビジネスユース向けにアレンジしたり、旅行や位置情報や実況中継など、特定の分野でのTwitterの活用を深めようとしたりする動きは、言ってみれば「Twitterの相対化」です。リアルタイム情報を扱うWebサービスは、Twitterひとつだけである必要はありません。


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