ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
Web2.0サービス、ユーザー参加型のWebサービスと言うと、競争力の源泉となるデータベースは、当然ユーザーが作った情報によって構築されたもの、と考えがちですが、必ずしもそうではありません。むしろユーザーによる構築を待つまでもなく、サービス運営者が用意したほうが早く、メリットのあるものも多いです。
例えば不動産情報を取り扱うZillowは既存の不動産データベース業者から新鮮な情報を数10万件単位で取り入れていますし、食品レビューサイトのZeerは、10万点以上の食品について、栄養素、アレルゲン、生産者、その他の警告についての詳細な情報を用意しており、ユーザーレビューのない商品についてもこうした情報は確認できます。また、旅行をテーマとしたTripSay(プライベートベータ段階)は、世界各地の国・州・郡・都市のデータベースを用意しています。身近なところではfacebookが大学のデータベースを持っています。こうした例は枚挙にいとまがありません。
こうしたデータベースを提供すると、ユーザーは利用開始のすぐ後から、サイト内での行動の指針を得ることができます。貴重なデータベース(栄養素やアレルゲンのリストなど)はそれだけでも閲覧に値します。というのも、まったく何もない荒野にほっぽり出されて、「さぁ、何でも情報を発信してください」とサイトに促されても、ひときわ能動的な一部のユーザーを除いて、ほとんどのユーザーは何をしたらよいのかわからず、戸惑うからです。
さらに役に立つのはレコメンデーション(推薦)における活用です。Last.fmやStumbleuponなど多くのサイトで利用されている協調フィルタリングによるアプローチ(簡単に言えば「この音楽が好きな人は、このアーティストも好きなはず」というもの)は、ユーザー生成情報が少ないうちは正確に働かない場合があります。しかし、事業者側が用意したデータベースを用いれば、初期ユーザーに向けてルールベースのレコメンデーションを行うということが可能になります(「この音楽を聞いた人には、この音楽も聞かせる」と決めておきます)。
また、この試みを成功させるためには、初期のユーザー登録時に、プロフィール情報をきわめて自然な形で入力させる必要があります。ここではAjaxを利用したリアルタイムな入力補完は一つのトレンドです。がめついWebサービスは嫌われます。
ですが、事業者が情報を提供すると言っても、重要なのはそれがデータベースであるということです。データベースでない情報の提供は労働集約的であり、継続するためには膨大な人件費がかかるでしょう。自ら記事を書き続けてニュースポータルサイトを運営するようなもので、これを主軸にするとテクノロジー志向からどんどん遠ざかります。あくまでデータベースの形式で、しかもそれをユーザー生成データと組み合わせて活用できる場合に限り、事業者によるデータ提供も意味があると思います。
Special
- PR -| dotcom | 2008/09/22 04:45 |
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いつも楽しみに読ませていただいております。 お忙しいのでしょうか。それとも社内規定等? 勝手ながら 宜しければ ブログご再開の程宜しくお願い申し上げます。 | |
| Masaharu | 2008/09/22 10:44 |
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>dotcomさん いつもご覧いただき、ありがとうございます。 | |

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