ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
facebookは英語以外にもドイツ語・フランス語・スペイン語で利用することが可能が、これら以外の24言語でも現在翻訳作業が進められています。翻訳は全てユーザーがボランティアで行うもので、これはfacebook自身によるいわゆるクラウドソーシング(不特定多数のネットユーザーに対する業務のアウトソーシング)です。翻訳作業に参加するためには、Translationsという専用アプリケーションを追加すれば良いです。この翻訳アプリケーションを追加すれば、実際に翻訳作業が進行中の言語であっても使ってみることができます。
日本語の翻訳の進捗状況

翻訳は、第一に用語集の作成、第二にフレーズの翻訳、第三に翻訳への投票という3ステップを経て完成されます。これらは全てユーザーが行います。各言語別に進捗状況を把握することができますが、主要言語の進捗状況を、翻訳されたフレーズの多い順に並べると次のような具合です。
- 100% トルコ語
- 95% ハンガリー語
- 95% デンマーク語
- 93% 日本語
- 90% ポーランド語
- 89% オランダ語
- 85% ポルトガル語(ブラジル)
- 81% フィンランド語
- 72% イタリア語
- 59% 中国語
- 48% 韓国語
- 39% ロシア語
- 用語集作成中 タイ語
翻訳が終っても投票によるブラッシュアップはかかせません(日本語を見る限り、第一次翻訳はかなり修正が必要のようです)が、上記のように、中欧、北欧、ブラジル、日本などで翻訳作業が進んでいることがわかります。日本語が完成すればmixiの、ポルトガル語が完成すればorkutの、ロシア語やトルコ語が完成すればMyspaceの、それぞれ大きな競合として存在感を増してゆくかもしれません。
私も日本語で20フレーズほど翻訳してみました。簡単なものでは"have a nice day"を「良い一日を」としたり、"French Southern Territories"を「南フランス地方」(違うし)としたりという具合です。長いものだと例えば採用に関する次のような文章などがあります。こうしたフレーズは分断して訳すことはできないようになっています。
"Interested in working for a growing technology company with lots of energy and excitement? We're the sixth-most trafficked site in the United States, but we're still a small company so there's a good opportunity for anyone who joins to make a big impact."
(エネルギーと興奮に満ち、急成長するテクノロジー企業で働いてみませんか?私たちはアメリカ中で6番目に大きなトラフィックを持つウェブサイトですが、まだまだ小さい会社であり(十分大きいと思うけど・・・)、ひと仕事しでかしてやろうという人なら誰にでも良いチャンスがあります。)
翻訳されていないフレーズから好きなものを選び、翻訳できます

一つのフレーズを皆で翻訳することができ、投票によってベストな翻訳が選ばれます。また、翻訳したフレーズの量と、投票によってベストに選ばれた翻訳の量によって、言語別に翻訳者ランキング(Leaderboard)も表示されます。
他のユーザーの翻訳を見ていると面白いです。「リンクを登校する」など致命的な誤字も結構多く、一方でユーモアをきかせた翻訳もあります。以下にはいくつか例を挙げてみました。矢印をクリックすると投票が反映され、累計の投票数が表示される仕組みです。現在のところ、多くのユーザーは良識ある投票をしているように見えます。



中には明らかにウケ狙いの翻訳も多いです。翻訳の質を高めるためにdigg方式の投票機能が設けられているのですが、例えば悪意あるユーザーが大挙して訪れて、イタい翻訳を投稿して、集団投票によってトップに祭り上げたりするとどうなるんでしょう?と少し心配でもあります。事業の行方を左右するローカライズをユーザーに任せてしまうあたり、ユーザーへの根本的な信頼があるようです。
クラウドソーシング型の翻訳が成功すれば、MySpaceのように現地にオフィスを出し、スタッフを雇って翻訳するというスタイルよりも安上がりかもしれません。facebookは翻訳アプリの開発に投資するだけでよく、同時に複数の言語に対応できるからです。ここでも「プラットフォーム・プロバイダー」という戦略的スタンスが貫かれています。
ただし、文言だけでなく機能のローカライズも行ったり、広告枠の販売やパートナー開拓といった事業開発もしていく上では、現地オフィス開設・現地スタッフ雇用が必要になってくると思います。
また、翻訳されるフレーズには、興味を駆り立てられるものがあります。英語版でもローンチされていない(?)新サービスに関するヘルプ文言などが、無造作に転がっています。それはソーシャルグラフを活用した広告配信のCTRの分析法だったり、広告主が配信対象をターゲティングするための機能だったり、ユーザー間のCtoCマーケットプレイスへの出品方法だったり、動画を使ったサービスの説明だったり、ビジネス向けのサービスを想定したものだったりします。中にはアメリカ大統領選に関するものなど、日本語化してもしょうがないのでは?と思うようなものもありましたが・・・。
個人的には、完全に停滞状態となっている日本のSNS業界に、facebookが黒船的な激震を与えてくれることを期待しています。MySpaceの日本語化は失敗に終りました(普及しませんでした)が、SNSの裾野が広がった今ならそれなりの日本語ユーザーがfacebookに参加するのではないでしょうか。
Special
- PR -| とおりすがり | 2008/05/14 19:35 |
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French Southern Territoriesは南フランス地方ではないです。 | |
| Masaharu | 2008/05/14 20:18 |
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>とおりすがりさん コメントありがとうございます。 | |

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