ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
Webサービスを提供する会社の多くは、公式ブログを持っています。そこでは、プレスリリースやアップデート情報などの基本的なマーケティングコミュニケーションだけでなく、人間味あふれるインサイダーとユーザーの交流や、その分野の第一人者としての見識が詰まったコラムの執筆なども盛んに行われています。私もRSSリーダーに各種Webサービス事業者の公式ブログを登録しているが、そのうちのいくつかを活用法別に紹介してみましょう。
1.オーソドックス型 - facebook, LinkedIn, Zoho
このタイプのブログは、基本的に何でも記事にします。新機能のリリース、内部の開発エピソード、サービスを効果的に使うためのヒント、専門分野に関するテクノロジーコラムなどがメインコンテンツです。LinkedInは、ユーザー相互のQ&A機能を搭載してから、「今週のQ&Aのまとめ」のようなシリーズも出しています。先日ビル・ゲイツが突如ユーザーに質問を投げかけた時も、ブログの広報効果によって急速に認知されました。オーソドックス型のブログに限らないが、ブログ記事というのは先進的なサービスの従業員がリアルタイムに書く情報で、かなり貴重な情報も多いです。
このタイプのブログは、執筆者が顔写真を掲載し、ちゃんと記名しており、通常「やぁ、みなさん」で始まり、「ありがとう」で終る記事が多いです。中でもdiggのブログは相当フランクです。「Hey, folks,(よう、みんな)」「こんどライブ中継されるぜ」「チェックよろしく」といった具合で、diggユーザーと運営チームの濃密な信頼関係が窺われます。無論、ユーザーの顔写真は自社サービス内の個人プロフィールにリンクされており、開発者でありながらユーザーでもあるというスタンスを大事にしています。
flickrのブログ
3.サービス活用型 - flickr, YouTube, EditGrid, digg
写真や動画を扱うサービスや、ブログ記事中にエンベッド可能な埋め込みコードを提供している事業者にとって、自社ブログは格好のアピール場です。flickrのブログは写真だらけ、YouTubeのブログは動画だらけ、そしてEditGridのブログには埋め込まれた表がたくさんあります。実際の活用法を見せるのは、サービスに対するイメージを喚起する最良の手段でしょう。また、ソーシャルニュースサイト・diggのブログでは、ブログ記事さえもニュースとして積極的にクリップさせています。
このタイプのブログはさらに二種類に分かれます。大所高所から社会的企業としての責務を力説するGoogleのようなブログから、ニッチな市場を自ら創造・開拓するために必死になってユーザーの啓蒙に勤しむEchosignのようなブログです。Echosignはオンラインで業務上のドキュメントの決済を行うためのビジネスアプリで、ブログはその名も「All About Web 2.0 Signatures」です。このネタでこれだけブログが書けるのも驚きです。
YouTubeのブログ
5.ルート誘導型 thisnext, facebook, LinkedIn
このタイプのブログは、ブログから巧みに本サービスへユーザーを誘導しています。例えば商品クリッピングとレビュー機能を提供するthisnextでは、記事中に様々な形で商品を取り上げ、それらのリンクはサービス内のレビューへと向いています。また、facebookやLinkedInのように、数千万人のユーザープロフィールを抱えるサービスも、このタイプの特徴を備えやすいと言えます。記事中に登場する人名は全てサイト内のプロフィールページにリンクすればよいからです。
6.障害情報型 Second Life
Second Lifeを運営するLinden Labの提供するブログは一風変わっています。「一部のエリアへのユーザーアクセス不能の件:解決」だとか、「メディアサーバーアップデート:2月5日2:00-4:00」など、障害情報や機械的なアップデート情報が多いです。私もSecond Lifeのクライアントソフトをインストールしていますが、立ち上げるたびに新バージョンのダウンロードを要求してくる点には少々閉口気味です。技術的にハードルの高い、チャレンジングなサービスであることの裏返しかもしれませんが。もちろん、通常の記事もありますが、ブログのカテゴリ別記事数を見ると「不具合の改善」や「サービスの状況」などが多いようです。
以上のように簡単にジャンル分けしてみました。公式ブログというのは、実はかなり面白いニュースソースであり、業界の最先端の動向を描写しています。「公式な」情報なのに「面白い」という点が従来のマスメディア向けニュースリリースと異なるところです。コラムなどはかなり濃密で参考になります。マーケットとのコミュニケーションを絞っているサービスも多いため、ブログの情報をチェックしていると、限定的なオフラインイベントや新サービスへの参加機会など、思わぬメリットがある場合もあります。
私の一番のおすすめはやはりGoogleの多種多様なブログです。AdSense、AdWords、OpenSocialなど、サービスごとにプロダクトチームがブログを持っており、内容もかなり濃いです。個人ブログに飽きたら、企業の公式ブログの定期購読はどうでしょう。



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