ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
Webサービスのスタートアップや新しいトレンドに興味のある人なら必読のブログ・TechCrunch。創業者のMichael Arrington氏は「情報はオープンにしてこそ有益だ」という信念を人一倍持ち、あらゆるWebサービスを舌鋒鋭く論じています。そのブログネットワークにはTechCrunch以外にも、モバイルサービスを取り扱うMobileCrunchや、スタートアップ企業とベンチャーファイナンスのデータベースであるCrunchBaseなど、この分野でも屈指のブログが多く存在しますが、最近これらのブログは、データベースとしての価値もますます増強しています。
CrunchBaseは先週末にRuby on Railsベースで全面リニューアルし、その膨大なデータへの双方向アクセスチャネルを一段と広げました。もはやブログではなく、新しいWebサービスです。まず、企業情報やサービス情報を誰でも編集できるようになったことには驚きました。管理コストが増大していたのかもしれませんが、少数の編集者が手作業で集めてきたデータベースを、一般に無料開放した上に、書き換え可能とすることなど、情報の囲い込みの大好きな日本の発想では宙返りしても無理だと思います。英語圏のウェブの中にある「信頼」という財産を改めて認識しました。
さらにCrunchBaseは、スタートアップに関する更新情報を分類し、それぞれのRSSフィードを用意しました。用意されたフィードは、
- Recently Added Companies (最近リストに追加された企業)
- Recently Launched Companies (最近サービスリリースした企業)
- Recently Funded Companies (最近資金調達した企業)
- Recently Acquired Companies (最近買収された企業)
といったものです。私も早速Google Readerに登録してみましたが、配信されるのは企業名だけです。サマリーもあわせて配信すれば、Venture DealsやGo2Web2.0などと同じようなポジションで、スタートアップのデータ・ソースとして、もっと有益なものになるでしょう。
さらにCrunchBaseは、企業情報のウィジェットも新設しました。これは私も待望していた機能です。サンプルを下に貼り付けてみますが、表示項目のセレクトができると最高です。ちなみにZohoは、MicrosoftのOfficeシリーズのようなソフトからCRM、プロジェクト管理ツール、データベース連携アプリ構築ツールなどを全てオンラインで提供している野心的サービスです。個人的には今年のダークホースと見ています。拠点はインドです。
TechCrunchの日本語版も、動きがありました。これまでは、ブログ内検索の結果表示画面には最新の5件しか表示されておらず、それ以上の情報を得るためにはタグをたどったりアーカイブを探したりしなければなりませんでしたが、最近これが30件まで大幅に増やされました。5件しか表示されていなかった理由が運営ポリシーによるものだったのか、パフォーマンス維持のためだったのかは不明ですが、これは大きな前進だと思います。ただ、英語版は依然として10件に留まっています。このブログのアーカイブとしての価値に着目するなら、検索機能の向上はインパクトが非常に大きいと感じます。
このように、苦心して(したに違いない)収集したデータベースへのアクセスをオープン化するという試みは偉大です。この記事を書いていて思い出したのは、レストランのレビューブックの「Zagat Survey(ザガット・サーベイ)」と、実用性を重視した世界シェアトップの旅行ガイドブック「Lonely Planet(ロンリー・プラネット)」です。どちらも、ユーザー(読者)から提供された情報がコンテンツの重要な部分を占めていますが、元はと言うと、それぞれ食べ歩きが大好きなザガット夫妻と、バックパッキングが大好きなウィーラー夫妻が始めたものです。しかもどちらもアナログメディアです。個人の情熱が、ユーザー生成メディア立ち上げに際してカタパルト・ダッシュになることは、十分にありえます。
ちなみにLonely Planetは昨年、BBC Worldwideに買収されました(関連記事)。

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