ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
私は海外のブログをよく読んでいますが、その中でも愛用のGoogle Readerに登録して読んでいるものをいくつか紹介してみようと思います。
TechCrunchは言わずと知れたキングです。このブログほど、ニュースを凌駕し、ウェブの発展に寄与しているブログはないでしょう。何百何千ものWeb2.0サービスと新興ベンチャーの動向を描き出し、「巨人に挑む小人」の構図に希望を与えてきました。創業者のMichael Arringtonは好き嫌いがはっきりした、アグレッシブで反骨精神のあるブロガーです。TechCrunchは日本語版もあります。
Read/WriteWebは「読み書きできるウェブ」、つまり「ユーザーが
参加するウェブ」=「Web2.0」のことです。TechCrunchと双璧をなすテクノロジー・ビジネス系ブログで、ニュージーランドのRichard MacManusが創業者であり編集長です。特に、毎週のウェブのトレンドや新しいサービスの動向、話題の中心となったニュースなどをまとめた「Weekly Wrapup(一週間ナナメ読み)」というシリーズがおもしろいです。英語漬けがどうにも慣れない読者でも、これを単独で読むだけなら楽でしょう。TechCrunchやRead/WriteWebと同種のブログとしては、VentureBeat、GigaOM、Webwareなどがあります。
China Web2.0 Reviewは文字通り、中国におけるウェブの最新の動向を伝えるブログです。Tangos Chanが運営しており、日本以上の規制の中にもかかわらず、日本よりもはるかに挑戦的で恐いもの知らずな中国のベンチャーを描いています。先日本格的に日本進出を始めたBaiduに関する情報も多いです。一緒にブログネットワークを形成しているChina Economic ReviewやBV Capital China Blogもあわせて読みたいところです。
VentureDealは、欧米のベンチャー企業の資金調達情報を専門に配信しています。配信されるのは、どんな事業を行っているなんとかという企業が、シリーズBラウンドでウン百万ドル調達した、という程度のかなりシンプルなニュースです。特に考察とかはないので、自分でトレンドを考察するネタにします。また、月額$25払えば、膨大なベンチャー企業とベンチャーキャピタル、ファイナンスに関するデータベースを利用することもできます。が、その類の目的については、私はもっぱら無料で閲覧できるCrunchBaseで満足しています。
以上の4つは複数の人によって書かれたものですが、もう少し個人の名前が前面に出たブログでは、次のようなものを読んでいます。
Marc Andreessenのブログは、かなり本格的な論壇系ブログです。いささか啓蒙的なところもありますが、それもNetscape Navigatorの開発者としての自負でしょう。facebookの創業者のMark Zuckerbergが齢23にして圧倒的な存在感を誇っていますが、同じMark(c)でもMarc Andreessenこそ、23歳でNetscape Communicationsを株式公開させたその人です。最近は簡単にカスタマイズされたSNSを作れるNingというサービスを運営しており、Googleの発表したOpenSocialについての記事も注目に値するものが多いです。情報も早いです。
Dion HinchcliffeがZDNetに連載しているブログは、Enterprise 2.0(企業内でWeb2.0的なサービスを活用するトレンド)に詳しいです。ふんだんに挿入されるやたらと綺麗なグラフィックは誰が制作しているのか知りませんが、とても理解に役立ちます。ただ、一つ一つの記事がパワフルすぎるのか何なのか、記事の更新頻度は低いようです。彼は別の個人ブログも持っています。
Steve Rubelが書いているMicro Persuasionは、「テクノロジーがマーケティングコミュニケーションに及ぼす影響」をテーマとしたブログです。PRや顧客への啓蒙活動から、アバター、ゲーム、マニアックなサービスまで幅広く参考になります。ただ、彼がしょっちゅう投稿しているリンク集はどうでもいいです(自分の備忘録としてやっているのでしょうか?)。
Dick Costoloが書いているAsk the Wizardは、feedburnerの起業家としての経験に基づいて、ビジネス論、戦略論、アントレプレナーシップ、ベンチャーファイナンスなどを語りまくるブログです。語りまくり過ぎて文字だらけ、改行なんかクソ喰らえ、といった様子でひたすら語っています。が、その尖りようが面白いです。ただし一回書くと1ヶ月のブランクが空くということもざらです。John Battelleのインタビューによると、「俺は一年や二年先のことを考えて動いたりしない。これおもろい、これやめよう、これやろう、ってな具合にいつもその場で判断するだけだ。今やりたい事やるだけ。将来?それはミステリーだ。」という具合。そういう人物のようです。ちなみにJohn Battelleのブログも面白いです。
話は変わって、私はこのブログでいろいろなWebサービスを紹介したり、ウェブのトレンドに関する印象を綴ったり、ウェブが社会へ与えるインパクトを考察したりしていますが、その中で頻繁に海外のウェブの状況に言及しています。それは別に私の学生時代の専攻が国際関係論だったからとか、私が盲目的な海外シンパだからとかではなく、ウェブの本質が越境的なものだからです。
日本のウェブをめぐる企業活動、労働市場、商品(広告)市場、資本市場、言語、教育、社会的インパクトはほぼ全て、日本列島という人為的な国境と、日本語という言語によってその他の世界から隔絶されています。ウェブが生まれつき「自由」そのものであることや、日本以外の世界のウェブに最早国境などないことを考えると、この国の規制社会のしぶとさには驚嘆すべきものがあります。
このままでは日本のウェブは「終わる」し、あらゆる知識労働の基盤となりつつあるITにおいて、日本はことごとくリーダーシップを失うでしょう。製造業における覇権争いだけでなく、情報をめぐるグローバルな知的競争から脱落した日本には、産業として誇れるものすらなくなる危険性さえあります。そういった状況の中、日本のソフトウェアとインターネット産業の競争力がズルズルと凋落していくのをただ観察しているほど私は母国に対して無関心なわけでもなく、読者と自分のためになればと思って海外の動向について書いているわけです。いや本当です。
| 今泉 | 2008/02/05 09:08 |
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こんにちは。 おっしゃる通りです。ただこの点のネガティブな側面だけに着目する必要はないと考えています。これをグローバリゼーションにおける日本の「個性」であると捉えなおして、戦術的に日本の特異性をプロデュースしていく道もあるかなぁと思ったりします。 | |
| Masaharu | 2008/02/05 14:04 |
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>今泉さん コメントありがとうございます。 ただ、あらゆる市場の規制を取り払っても、結局物理的に離れた島国なので、文化面でのアイデンティティを保つことは難しくないと思います。 | |
| Kota | 2008/02/05 22:42 |
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こんにちは。初めてコメント投稿します。 自分は20個くらいブログを購読していますが、全て日本のものです。英語になるとWebの世界は、日本語の10倍くらいになると聞いたことがあります。 確かに海外のブログは読むべきですよね。Googleのような企業が出てくる背景が、そこにはあるんでしょう。 今回紹介されていたブログ読んでみようと思います。 | |
| Masaharu | 2008/02/05 23:03 |
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>Kotaさん コメントありがとうございます。 | |

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