ユーザー参加型ウェブ・ソーシャルウェブを考察するブログ
Googleのアカウントを登録すると、検索履歴や、検索結果からの訪問履歴をGoogleサーバー内に記録させることができます(明示的に拒否することも可能です)。また、Google Readerでは、購読中のフィードの情報は日々記録されています。Googleへのプライバシー情報の送信です。こうした情報を利用したレコメンデーション(推薦)機能の一つに、Google Readerでの「イチオシ」フィード機能があります。今まであまりこのフィードレコメンデーション機能を使っていませんでしたが、最近よく使うようになってきたので紹介してみます。
現在私が購読しているフィードは次のような感じです。CNETやVenture Nowなど日本と海外のIT系ニュース、TechCrunchなど海外ブログをテクノロジー系を中心にいくつか、ビジネスパーソンのブログ、ソーシャルブックマークのタグ検索結果のフィードをたくさん、あとはBRICsを中心とした海外のニュースや、各種ビデオブログ、新着Web2.0サービスの紹介、その他もろもろといった感じです。毎日結構な量になりますが、Google Readerの秀逸な自動ページング機能によってなんとか読みこなせています。
これらのフィード購読情報をGoogleが勝手に解析して、私が面白いと思える新しいフィードを推薦してくれるわけです。Googleのヘルプを見ると協調フィルタリング的な説明が書いてあります。フィード追加リンクの横にある「一覧」というリンクを押せば、推薦フィードの一覧が表示され、それぞれのフィードには「購読者数 206」や「週間投稿数 3.7」などの参考情報も表示されます。プレビューしてみて興味がなければ、「No thanks」ボタンを押すことで、ネガティブ・フィードバックがGoogleに送られるという仕組みです。

私の購読履歴の分析から、実際に推薦されたものは、次のようなものです。
- Startup Conversations(スタートアップ段階のベンチャー関連)
- The Enterprise Web 2.0 Blog(企業内でWeb 2.0の仕組みをどう活かすか)
- Web 2.0 Asia(韓国その他アジアにおける新しいWebのトレンド。著者は起業家)
- Wikitravel(Wikipediaの旅行バージョン。デスティネーションガイドに良い)
- JLM Pacific Epoch(中国とアジアの技術・金融・ビジネス関連ニュース)
どれも私の興味関心にフィットしています。JLM Pacific Epochなど、結構いけてる発見でした。スリーベースくらいのヒットです。中国、Web 2.0、アジア、ビジネス、海外トラベル、テクノロジー、金融などのツボをしっかりとおさえてきた感触があります。早速これらを試しに購読してみています。この他にもいろいろと推薦されましたが、十中八九、無駄な情報ではありませんでした。興味があるかないか、という観点で言うと、興味のないフィードは一つも推薦されていんません。実際に有用かどうかはまた別の話ですが。
こうして私のようなユーザーが提供し続けているプライバシー情報は、巨大な(特に上場している)インターネット企業にとってアキレス腱になりうる一方で、より精緻なターゲティング広告に転用すれば多くの富を得られるという意味で、魅力的です。常に最大の利益を得るためには、その情報の活用は義務とさえ考えられる場合もあるでしょう。
一方、企業によるプライバシーの保有は、当然ながら猜疑心を産みます。90年代終わりにネット広告のDoubleClickが、オンラインの活動履歴とオフラインの個人情報リストを照合しようとしたとの嫌疑で連邦通信委員会に訴えられましたが、昨年facebookがギリギリのラインで駆け引きを続け、導入に挑んだビーコン広告などを見ていると、DoubleClickの時代以上にリスキーな環境になっていると感じます。Googleが「邪悪でないこと」を企業理念として掲げることは、当然のリスクヘッジです。ウェブがユーザー参加の色彩を強めるに従って、プライバシーの問題もセンシティブになります。ただし、ここまで人類のウェブへの接続が常態化してくると、諦めも必要かもしれません。
ちなみに、Googleのウェブ履歴はこのページで確認することができます。私の2007年の検索アクティビティ総数は10512回でした。一日あたり平均して28.8回、Googleの検索ボタンを押している計算になります。ちょっと多い気もしますが、他の人の履歴がわからないのでこれがどれほどのものなのかはよくわかりません。また、Firefoxのツールバーからの検索が含まれているかどうかも不明です。昨年私が検索結果からクリックしたサイトのうち、最も回数が多かったのはWikipediaでした。うなずけるところはあります。1位から10位のうち、7つがユーザー参加型のサイトでした。

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