Logotechnorati Technoratiとは、World Wide Webならぬ"World Live Web"をコンセプトに 、ブログを中心としたウェブ上の会話をつぶさに捕捉し、トレンドをユーザーに伝えてくれるサービスです。具体的には、ブログのインデックス化と検索エンジン、ブログ記事へのタギング、被リンク数のカウントなどをもとに、何が影響力を持っているか、議論の発端は何か、突発的に起こった事件へのブロガーの反応はどんなものか、といったことを読み解く手助けをしている、はずです。少なくとも英語版のTechnoratiはそういうサービスです。

 日本語版のベータ版公開時(2005年5月)から利用していましたが、最近あまり使わなくなってきました。というか、ブロガーとしての自分にとって、役に立つ情報が少なくなってきました。その理由は以下の3つです。

1.テクノロジーに裏付けられた正確さの不足

 Technoratiに自分のブログを登録すると、自分の記事にいつ誰がリンクを貼り、どんなコメントととともに引用しているのかを知ることができます。また、そのブログがブログ界の中で持つ権威を、オーソリティという評価法(GoogleでいうところのPage Rankのようなもの)で表してくれる、ことになっているはずです。

 ですが、以前にも増してこの「引用ブログ探し」がお粗末です。通知してくれるのはスパムばかり。一方ではてなダイアリー界隈でしっかり言及されても全く捕捉しきれていないようです。文字化けもひどいです。結局誰が自分のブログを引用したかを知るには、Google Analyticsはてなブックマークを利用している始末です。さらに言うと、初歩的なバグが非常に多いようです。リンク切れ、レイアウト崩れ、CSSの不具合などなど。そして何よりトップページの読み込みが非常に重いです。その一方で、色々なランキングやブログパーツの開発には積極的です。

2.他の代替サービスの発展

 前述したように、1つ目の理由からだけでも、Technoraitはもはや魅力を失っています。2005年当初は画期的だったかもしれませんが、今は陳腐化しています。いまや、私が自分のブログに関する動向を知る最も良い手段は、Google Analyticsの「参照サイト」をチェックすることです(当たり前といえば当たり前か)。Googleにはブログ検索エンジンもあります(Technoratiと違って執筆者名による検索もできる)し、インデックス化と被リンク数カウントだけでは長期的にはGoogleに勝てないはずです。

 どうせなら、ブログ記事のクローリング(収集)と編集のクオリティをもっと上げ、ブログポータルとして深みを増してほしいところです。タグとキーワードばかり抽出するのではなくて、もっとトップページから言説が手に取るようにわかるよう、部分的に本文を抽出すべきです。現在のトップページ左サイドには「ブログで話題の新着ニュース」というコーナーがありますが、これと同じくらいブログ記事も登場させてほしいです。とはいえ、オーソリティに頼るとGIGAZINEのような釣りブログだらけになりそうですが。Technoratiのようなサービスは、最もトラフィックを稼いでいるブログ群の後ろ、2列目に位置しているような良質なブログを世に出してほしいのですが、どうでしょう。結局のところ、次に挙げる3つ目の理由がそれを難しくします。

3.メインストリームユーザーへの歩み寄り(Yahoo! Japan化)

 Technorati日本語版だけでなく、英語版も直面する岐路が、メインストリームユーザー(非ブロガー、非マイノリティ、非ギーク)にどれだけ歩み寄るか、という判断です。結論から言うと、Technorati Japanは、Yahoo! Japan化しつつあります。芸能ネタ、ゴシップ、奇を衒ったユーザー生成ビデオ、ブログ記事以上に露出するマスメディアのニュース、そういったものがYahoo! Japan化の特徴です。

 いや、そういう路線が悪いとは言いません。ただ、そういうサイトはYahoo! Japanだけでお腹いっぱいです。Technoratiには、小粋で、斜に構え、批判的ながらも本質的な論旨を展開するブログたちを掘り起こす能力があるはずです。例えばトップページ左サイド下に、「○○氏のお気に入りブログ」というコーナーもありますが、これも内輪な感じがして印象悪です。昔からずっと同じ人(Technoratiとデジタルガレージ関係者)しか現れません。もっと多様なブロガーを取り上げるべきでしょう。

 このままゴシップポータル化していくと、近いうちに私はTechnoratiの利用をやめそうです。Yahoo!にしろTechnoratiにしろ、英語版と日本語版の乖離が気になってしょうがないです。総論としては適切なローカライズだったのでしょうか?あまり面白く思えません。Techmemeのようなサイトが日本にも登場しないもんでしょうか。引用ブログ、アフィリエイトブログ、まとめブログ、釣りブログなどのスパムが減り、地道なブログが増えることがその前提ですが。

Masaharu

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大迫 正治

大迫 正治

株式会社Parmy執行役員プロダクトマネジメント&ユーザーエクスペリエンス担当。このブログでは、ユーザーが参加する新しいウェブの世界についての考察を綴ります。

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