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予測できないITの行く先を、あちこち歩きながら考えてみます

SaaSであってもセールスは電話を使って地道に行われる

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「マイクロソフト、サポートセンターです」と名乗った電話がかかってきました。はて、なぜマイクロソフトから? と思って聞いてみると、Microsoft Online Services/BPOSに僕が登録した際の登録内容を確認するために連絡した、とのこと。

Microsoft Online Services/BPOSはマイクロソフト初のSaaS型サービスで、2009年3月にβ版が公開されるとすぐに僕はレビュー記事を執筆しました。その際に、氏名や電話番号などを登録をしていたのでした。

電話で聞かれたのは、漢字での名前(僕が登録したときは漢字で名前を登録する欄がなかった)と、入力済みだった住所の確認、それに登録の目的など。そして今後も情報をお送りしていいか? と聞かれたので「メールでなら」と答えておきました。

実は、SaaSの雄であるセールスフォース・ドットコムSalesforce CRMのレビュー記事を書くために登録をしたときにも、翌朝にはセールスフォース・ドットコムから電話がかかってきました。

「ご登録ありがとうございます」
「どういたしまして」
「なにかご質問などございますでしょうか?」

こんな感じです。どちらのサービスも、トライアルであっても氏名や電話番号の記入は必須です。

そういえば、SaaS型のCRMとERPを提供しているNetSuiteも機会をみてレビュー記事を書きたいと思っているのですが、ここもトライアル版に申し込むためには氏名や電話番号が必須です。やはり電話がかかってくるのでしょうか。

SaaSといえば、ネットから申し込んですぐに利用開始できるスマートなイメージがあります。しかしいくつかの製品を評価した経験からいうと、実際に業務に取り入れるには過去のデータのインポート、組織に合わせたアドレス帳の作成、画面や機能のカスタマイズなどの利用者側で発生する作業があります。

好意的に考えれば、こうした作業で顧客が立ち往生しないように、ベンダーが積極的にサポートする姿勢はSaaSの販売上必要なものなのかもしれません。

しかしそれなら必ずしも電話でなくともメールや、希望した顧客にのみ連絡をするだけでいいはず。電話での連絡には、ベンダー側が積極的に営業をかけたいという希望が多分に含まれているのでしょう。

SaaSのように進化したテクノロジーを使ってすべてがネットで完結するように見えたとしても、セールスの現場ではやはり日々地道な努力と顧客へのアタックが繰り返されているのだなと感じさせる出来事でした。

本エントリはBlog on Publickeyからの転載です。

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