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ソフトウェアは私たちに幸福をもたらすことができるのか

体系的に学ぶのか?ゲリラ的に学ぶのか?

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 自らの経験を振り返ってみて、コンピュータ関連の技術を習得するときに、体系的に学んだことよりゲリラ的に学んだことの方が多かったことに気がつきます。

 コンピュータ言語で最初に触れたのは8080のマシン語。本に書かれているものを、とりあえずそのまま打ち込んだのが最初です。それ以来、実はコンピュータ技術の教育というものは1回も受けたことはなく、また教科書的なもので勉強したこともあまりなく、必要なときにや興味が出たときにゲリラ的に独習して乗り切るというパターンでずっと来ています(笑)。

 しかし実は、一つだけ例外があって、それは(今はもう存在しない)第1種と特種の情報処理試験を受けたとき。そのころは私もバリバリのプログラマーで実際に結構稼いでいたこともあって、正直に言って、情報処理試験は「現場ではまったく役に立たないもの」とバカにしていました。しかし、ある人に言われた「バカにするなら取ってから言えよ」という挑発に乗って、取得を目指すことに(笑)。しかし、勉強してみるとこれが結構面白い。体系的に学習することで、それまで知らなかったコンピュータやソフトウェアの「Why」や本質的な意味をいくつも理解し、私のソフトウェアの書き方も趣味的な「動けばいい」というところから、俯瞰的に考えて進める視点をもたらしてくれました。結果として、第1種は合格、特種は不合格(泣)でしたが、その過程で学んだことはその後ずっと役に立っています。この時に、認定や資格は、それを持っていること以上に、その過程で学習するということに意味があるのだということを実感しました。

 インフォテリアはソフトウェア開発会社であるにもかかわらず、多くの方々とともにXMLの教育プログラムや認定試験を始めたのも、実はこの経験の影響を受けています。その場だけきり使わない技術であれば、ある程度はゲリラ的、付け焼刃的な学習で間に合うことがあるかも知れませんが、基礎的な技術、長年使う技術などについては、簡単そうに見えても体系的に学習することに大いに意義ありと考えたわけです。

 また、最近では、一つの技術だけで何かができるということはほとんどなく、何をやるにもいくつもの技術を組み合わせて使うケースがほとんどです。ですので、こういった教育においても組み合わせて学習できる選択肢を作ることも一つの意義があると考えています。その第一弾として、Javaの技術者育成を行われているサン・マイクロシステムズさんと組んで今日から始めるのが、「Java/XML塾」です。ネット上のコミュニケーションとリアルのエデュケーションを組み合わせた試みです。さらに、この試みには、成果を活かすために人材派遣のパソナテックさんも賛同していただいて3社での企画となりました。

 現場ワークなしで頭だけの技術習得はまったく意味がありません。私も、プログラムを書いたことのないPMのいうことは信用できない一人です。一方で、逆に現場だけの場当たり的な技術習得だけでも限界が来てしまいますし、体系的な学習がそのスキルに広がりを持たせることも経験しました。私たちの取り組みが、これからのITエンジニアの方々の成長・発展に寄与できることを願って、これからも新しい試みを続けたいと考えています。

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