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Linux、Network、Securityを旗頭にしている技術者社長の日記

Scalix社はバーチャルカンパニー

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だいぶ間があいてしまいました。Scalixを発表してから、とても忙しくなってしまって、ブログネタをまとめる時間が取れなかったのです。

今、カリフォルニア州のサン・マテオに来ています。Scalixの本社で技術その他の打ち合わせを行うためです。今日その打ち合わせを行ったのですが、社長をはじめ会った人全員が日本に対して興味津々な感じで、持参したポスターを早速社内のメッセージボードに掲示したりして、その関心の高さを示してくれました。

日本語機能に関しては、すでにほぼ問題なく動作していますが、いくつかの問題点が残っていました。電話カンファレンスなどであらかじめ課題を話し合ってあったこともあって、いくつかはすでに解決できたこと、残りもメドが見えていることが確認できました。

そういった本来の目的よりも印象深かったことがあります。

それは、Scalix社がかなり徹底したバーチャルカンパニーだということです。本社にももちろん主要マネージャや社員がいるのですが、社長の組織紹介で「あいつはここ」、「こいつはあそこ」などと海外の国名がポンポン飛び出すのです。たとえば開発の多くの部分はイギリス、テクニカルサポートスタッフの一人はロシア、International Salesのマネージャはアムステルダムでスタッフの一人はマレーシア、などです。詳細な人数はカウントしていませんが、全社員の2/3以上が海外、という感じです。

このことはあらかじめ多少知っていたのですが、改めて聞いてその散らばり具合にびっくり。「そんなに分散していてマネージメントに問題はでないのか」と質問したところ、「インスタントメッセーンジャー、Skype、メールなどの便利なツールがあるので、低コストで問題のないコミュニケーションが維持できる」との回答。バグ対応にはBugzillaというオープンソースのバグトラッキングシステムを活用していて、優先順位付けや担当者のアサインを行っていること、社内Wikiを使って個々の課題の詳細化をオープンに進めていること、なども見せてもらいました。

Scalix自体オープンソース化していくわけですが、世界中にちらばったメンバーのマネジメント経験は、今後のオープンソース開発に大きく役立つのだろうと思います。

今日の打ち合わせを踏まえて、日本での発売に向けた最後の仕上げに入っていくつもりです。また死ぬほど忙しくなりそうです。

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