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オープンソースをサポートする(OpenStandiaモデル)

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以前紹介した5つのオープンソースビジネスのモデルのうち、今回はオープンソースをサポートする「OpenStandiaモデル」について紹介します。

オープンソースを活用したシステム開発や、オープンソースのサポートサービスを、ユーザー企業やシステムインテグレーター向けに展開するビジネスモデルです。本ビジネスモデルは、筆者が野村総合研究所で行っていたビジネスモデルです。


オープンソースに関する技術力を提供

オープンソースは、ソースコードが公開されて誰でも利用することができますが、多くの場合、ある程度の技術力やノウハウが必要になります。ソフトウェア自体を販売するのではなく、オープンソースに対する技術力やノウハウを背景に、それを活用したシステムの構築や、保守サポートサービスを提供するのがこのビジネスモデルです。自社開発したオープンソースに対するサポートサービスを提供する場合もありますが、多くは既存のオープンソースに対するサービスが中心となります。

例えば、筆者が野村総合研究所で立ち上げたオープンソース・サポートサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」では、以下のようなサービスを行っていました。

  • Apache、Tomcat、PostgreSQLなどを組み合わせ、冗長構成と安定したシステム基盤を構築し、かつ保守サポートサービスも提供する。(組合せのノウハウ、冗長化のノウハウ、保守サポートの体制などがビジネスの源泉)
  • Strutsのセキュリティホールに対して、独自のパッチを開発、提供する。(ソースコードを調査し、不具合を解消する技術力がビジネスの源泉)
  • JBossASという、開発元がサポートしていないコミュニティ版のサポートを提供する。(ソースコードを調査し、問い合わせ対応を行うなどの技術力がビジネスの源泉)
  • OpenAMやLiferayを組み合わせ、顧客向けにカスタマイズやアドオン開発を行い、統合認証基盤を開発、提供する。保守サポートサービスも提供する。(組合せのノウハウ、顧客課題の理解とそれに基づく独自実装部分の蓄積などがビジネスの源泉)

なお、OpenStandiaは、「オープンソース・ワンストップサポート」を標榜していました。しかし現在ではオープンソースの利用は一般的になってきており、ワンストップサービス(当時は"百貨店型"と呼んでいた)はそれほど訴求しなくなっています。新たにOpenStandiaモデルでオープンソースビジネスを始めるのであれば、特定のオープンソースに特化する"専門店型"のほうがお勧めです。

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次回は、OpenStandiaモデルの収益モデルなどについてお話ししていきたいと思います。

12月12日(月)に、当社オフィスにて勉強会を行います。

12月12日(月)に、当社オフィスにて勉強会を開催します。ご興味ある方は、以下のサイトからご連絡ください!

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https://osslabo.doorkeeper.jp/events/54291

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