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いや、やっぱり聞いていただけなくても結構なんですがとりあえず垂れ流させてください

アメリカンコミックヒーローのように「ジャジャーン」と誰かが登場してパッチを当ててくれるってわけにはいかねーぜ

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 土日出勤、月曜泊まりというハードスケジュールをこなし、やっとUNIX USER 9月号の作業が終了。今月も無事(?)UNIX USERを発行できそうです。そんな中、blogに初コメントが!そしてその内容は?


 前回のblogの内容に関して、「ちんたら言ってないでそんなんゆーなら自分でFedora Projectに文句言えや!!!」というようなコメントを頂きました。至極もっともである。Red Hat時代もあわせると気がついたら3年以上も使っているディストリビューションに何もフィードバックしないのもオープンソース使いとしてはダメダメである。まるで球界No.1の年棒を貰いながらも去年今年と活躍全然なしの某佐々木のようなものだ(違う)。

 ということで、まだまだ引退する気は全くない私、とりあえずFedora ProjectのBugzilla(http://www.bugzilla.redhat.com/bugzilla/)をチェックしてみた。Fedora Projectのホームページの「Participate(参加)」(http://www.fedora.redhat.com/participate/)というところを見たら、Bugzillaを使うと問題や(パッケージの)強化、バグフィックスが投稿できると書いてあったからだ。

 Bugzillaのトップには「Search existing bug reports」というリンクがあるので、そこからバグの検索ページに移動、対象製品をFedora Core、バージョンは全て選択し、検索対象コンポーネントにxorg-x11、対象ステータス(その報告が今どんな状態か、例えばもうすでに解決済みとか、情報求ムとか)も全て選択して[Start Search]をクリックする。すると、800件近くのバグが見つかった。さすがにこれら全部チェックするのは面倒臭い。ということで、「bold」という、そのものずばりのキーワードでページ内を検索する。

 すると、「Xft does not render japanese bold fonts correctly.」と。まさにそのものずばりのバグを発見。IDは136922だ(https://bugzilla.redhat.com/bugzilla/show_bug.cgi?id=136922)。

 その内容はというと、「Xft(Xサーバーのフォント描画システムの一つ)が日本語のボールドフォントを描画してくれない」というもので、きちんとその対策パッチも同時にアップデートされている。投稿者は「ryo dairiki」という方だ。素晴らしい。引退を一時は考えた私とはまるで違う。

 ところが。このバグ、statusはCLOS(対応終了)で、解決方法はNOTA(NOTABUG、バグではない)となっている。つまり、Fedora Project的見解としては

 「これはバグじゃねぇよ!!!だから別に直す必要はねぇぜ!hehehe。」

ことらしい。そりゃ直らねぇぜよ。

 さっきのbugzillaの問題のページでは、Kristian Hogsbergさんという方が「このパッチはxorgの方に送ってそっちに取り込んでもらったほうがよいよ」と言うようなコメントをつけている。また、パッチを送ったryo dairikiさんも「これはXftを使ったアプリケーションだけにしか適用できず、freetypeを使っているアプリケーションには対応できないから問題かも」というようなコメントを残している。

 確かに、これはFedora Coreの方の問題ではなく、Xftの問題だ。だからFedora Projectには、別にこれを修正するパッチを入れる責任はない。でも日本人がメインで開発しているVineとか、あとDebianでもXウィンドウシステム上でボールドは出るんですがね。とりあえずパッケージ管理をしている人に「このパッチは日本人には必要なんじゃゴルァ!というようなメールを送ることも考えたが、ただの迷惑な猿と認識されかねないため諦めた。

 Fedora Projectに文句を言っても無駄だ、ということがわかったので、今度はXftの方をターゲットに調べてみた。しかし、Xftに関してはバグを簡単に報告できそうなところは発見できなかったため、依然調査中である。こうご期待!(またしても続くのか?)

 ということで、コメントありがとうございますm(_ _)m。あと、すでにバイナリを公開されている方がいらっしゃる、という話ですが、実は私の環境はx64環境なので使えなかったりします。そのような方には本当に頭が下がりますが、コンパイルや公開にも手間がかかる訳でして、是非このパッチは本家に取り込んで欲しいです。

ちなみに、私はベイスターズファンです。佐々木選手、お疲れさまでした。

■知らなかったよ〜

・とりあえず前回のブログ記事ではパッチを当てて作ったバイナリを/usr/X11/libにコピーして、元のライブラリをlibXft.so.2.1.2.orgという名前でコピーした訳だが、それだとldconfig(ライブラリ管理をするプログラム)を実行した場合にlibXft.so.2.1.2.orgがlibXft.so.2.1.2より新しいライブラリとして認識され(辞書順で並べるとlibXft.so.2.1.2より後に来るため)、もともとlibXft.so.2.1.2へのリンクであったlibXft.so.2がlibXft.so.2.1.2.orgへのリンクに作り直されてしまう。そこで、わざわざ毎回手作業でこれを修正するのも面倒臭いため、元のライブラリをlibXft.so.2.1.2.orgという名前でなく、libXft.org.2.1.2に変更した。
 ldconfigがライブラリの名前だけを見て作業しているとは知らなかった。正直、すまんかった……。

・perlのスクリプトファイルで、「require "hogehoge.pl"」というような感じでほかのファイルを参照できるということを今日まで知らなかった……。おかげで編集部のサーバーのcgiスクリプト、全く分割しないで1ファイルで作っていて「perlの言語仕様ってひでーよ」とか思っていた。正直、すまんかった。

・「info coreutils」で読める、linuxの基本的ツールのマニュアルを初めて読んだ。tacという、標準入力に突っ込んだものの、各行を前後入れ替えて(1行目が最後に、2行目が最後から2行目に……)というコマンドがあることを初めて知った。だからどうってこともないんだが、正直、すまんかった。

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