オルタナティブ・ブログ > 学びの体験を創造する ~ セミナー事務局考 >

簡単そうで意外と細かい手順と心配りが必要な「事務局」。ビジネスセミナー、周年パーティ、小規模勉強会からPTAイベントまで、事務局の現場から、企画からスムーズな運営、場づくりの失敗と成功を紹介します。

即時性、柔軟性が鍵のデジタルマーケティング

»

C-10sato_tatsuro.jpg

年々ややこしくなる、Webやソーシャルメディアを活用したマーケティング。わからなくなったら専門家に聞いてしまったほうが早い、ということで、マーケティングコミュニケーションの専門家である佐藤達郎さん(多摩美術大学教授)に「デジタルマーケティング」の「今」について伺いました。

小林:海外のマーケティング関係のカンファレンスは、定期的に視察されているようですね。

佐藤:11月はWOMMA(アメリカのクチコミマーケティング協会)サミットに行って来ました。

小林:タイムリーですね。どのようなイベントですか?

佐藤:会場は何故か、田舎町のNashville。

全米および各国から500名もの参加者が集まり、11月17日~19日の3日間にわたり、セミナーやディスカッションが行われました。

小林:研究分野ということで視察されたのですか?

佐藤:それもありますが、私は日本のクチコミ・マーケティング協会(WOMJ)の理事長を務めています。WOMJとWOMMAが提携しているということもあり、参加して来ました。

小林:サミットに行きたてほやほやの佐藤さん。その雰囲気もふまえて、デジタルマーケティングのトレンドはどのような方向にあるとみていますか?

佐藤:「ブランド・アドボケーツ(発信するファン)をいかに活用するか?」

キーになっています。

小林:発信するファンですか。ソーシャルメディアが欠かせないですね。 

佐藤:また、リアルタイム・マーケティングも熱いです。

「即応性」という言葉のほうがわかりやすいかもしれません。リアルの世界の動きに即応する形でマーケティング・コミュニケーションを行うことです。

小林:具体的な例はあれば教えていただけますか。

佐藤:クッキーメーカー「Oreo(オレオ)」の例を紹介しましょう。

今年のスーパーボウルで停電が起こったのですが、そのハプニングに合わせた印象的な(その間に、ついオレオが食べたくなるような)マーケティングを展開して、SNSで爆発的に広がりました。「オレオのおかげで業界全体が大変なことになっている」と揶揄されるほどです。

小林:なぜそのようなことが可能だったのですか。

佐藤:クリエイターがその場で適切な広告・宣伝を準備し、同じ場にいたクライアントの責任者が即OKを出し、リアルタイムに反応することで消費者の支持を得たのです。

代理店側(サービス提供側)とクライアント側の「リアルタイムな」密な関係が必要で、当然、働き方も従来と違ってきます。

小林:どのような人が適していると思いますか。

佐藤:しっかりした基礎を持ちながらも、新しいトレンドに柔軟に対応していける人ですね。

小林:確かに、素早く臨機応変な対応ができる人でないと「オレオ」のような仕事はできませんよね。

そのような人材を育成するための教育はどうすればよいでしょう。

佐藤:WOMMAのようなカンファレンス等での情報共有が基本だと思います。最新情報が入手できますし、参加者が非常に熱心なので刺激的を受けます。

小林:海外のマーケティング系のカンファレンスに参加されると、日本は遅れていると感じることはあります?

佐藤:一概に遅れているとは言えませんが、ことソーシャルメディア活用に関しては、アメリカの方が事例が豊富ですね。

また、クライアントがマスメディアからデジタルやソーシャルやクチコミに舵を切る様子は、アメリカの方がドラスティックに思えます。

小林:売り上げにつながっているからでしょうか?

佐藤:アメリカの例で言うと単純に「即、売上げ」といったダイレクト・マーケティング系よりも、「ブランディング」的な発想が一般的です。ただし、ROIは厳しく求められます。何を目標にしてその施策を行うか?は、つねに数値化されてチェックしているようです。

小林:一方、デジタルマーケティングにこれから本腰を入れようとする企業は、何からはじめたらいいでしょう。

佐藤:「ソーシャル・リスニング」が良いのではないでしょうか。

具体的には、最近上場した、ツイッターなどを活用して、自社のブランドや製品やサービスについての評判に耳を傾ける、といったことです。

小林:企業からの発信を主体にするというよりは、消費者や顧客からの声をひろうためにデジタルマーケティングを活用することからはじめるのですね。

(オプンラボ 小林)

 *佐藤達郎さんに、12/7(土)最新の話題をセミナーでお話していただきます。
 ご興味のある方は、ぜひご参加ください


SPORTEC (スポルテック)
 3万人が足を運ぶ、日本最大級のスポーツ健康ビジネスBtoBイベント
 http://www.sports-st.com/  
 期間  2013/12/5(木)~2013/12/7(土) 10:30-18:00  
 会場  東京ビッグサイト  
 参加費 60分枠の1セッション、前売3,000円 当日4,000円

●12月2日までは早期割引価格で参加可能 参加申込は、SPORTECホームページより。
 http://www.sports-st.com/seminar/schedule2.html 
●入場料¥2,000が無料になる入場事前登録は、こちら。
 https://cp.in-plus.jp/ssl/102//sports-st.com/regist/index.html

■ビジネスアカデミー 

12/7(土)

10:30~12:00 
ビジネスアカデミー/地域イノベータープログラム地方のさまよえる「ハコモノ」を「合宿地づくり」プロジェクトに変身!」 
 [講師]株)R.project 代表取締役 丹埜 倫 

12:00~13:00 
プロのコンサル直伝、採用される・受注する提案書づくり」 
 [講師]シスコ/プロポーザル戦略コンサルタント 水嵜 清美氏 

13:30~14:30  
デジタル広告・マーケティングの最新事情」 
 カンヌで広告の賞を受賞し、審査員もつとめた佐藤氏が解説 
 [講師]多摩美術大学 教授 佐藤 達郎氏

15:00~16:00
 「人を動かすプレゼンテーションの魅力
 ~日本を代表するプレゼンテーションのプロフェッショナルが直伝~」
 [講師]日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇 資哲氏

 

 

Comment(0)