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簡単そうで意外と細かい手順と心配りが必要な「事務局」。ビジネスセミナー、周年パーティ、小規模勉強会からPTAイベントまで、事務局の現場から、企画からスムーズな運営、場づくりの失敗と成功を紹介します。

お岩さんのお寺へ行く

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普段から宗教とほとんど縁のない生活をしていても一変するのが身内の死。

親が亡くなった時、あれよあれよと流れに乗って、いつのまにかお寺でお葬式をだしていました。そして一周忌、三回忌、七回忌と、また次第に宗教行事から遠ざかり、いまでは命日は兄弟が集まる食事会に。それ以来なんとなく「お寺」や「宗教」が気になっていたところ、興味深いお寺と接点ができました。

uematsu_200.jpgそれは、四谷怪談ゆかりの「陽運寺」。

歌舞伎役者が四谷怪談を演じる際にお参りにくるお寺として有名で、最近では縁結びのパワースポットとしても人気です。

森記念財団の礒井さんから、陽運寺でオープンカフェとトークセッションをする「まち塾」の企画を進めていることを聞き、それは興味深い!とopnlabもコラボさせてもらうことに。

5月1日、毎月1日に行われる祈願祭の日に、礒井さんと陽運寺へ打ち合わせに伺い、副住職の植松さんにお会いしました。美坊主特集で取り上げられそうな端正な顔立ち。話しを伺うと、とても気さく。

■お岩さんと陽運寺

syuinjo150.jpg陽運寺は、丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩10分ほど歩いた新宿区左門町に位置します。四谷怪談のお話「東海道四谷怪談」は200年前に作られ、お岩さんのモデルはさらに200年前にこの界隈に住んでいました。ただし怪談話が実話をもとにしているかどうかは諸説あるとか。

お父様が陽運寺の住職となったばかり時の当時は、草がうっそうと茂っていて暗い感じでした。四谷怪談のお寺でその雰囲気だと効果満点。「怖い!」と言いながら通り過ぎる人が何人もいたとか。

それを徐々に気軽に立ち寄れるお寺へ。だれもが参加できる祈願祭を定期的に開催したり、訪れた時にほっとするような雰囲気になるよう境内に木や花を植え、盆栽を飾ります。

次第に訪れる人も増え、最近では特に「御朱印帖」を持参する人が多いそう。「御朱印帖」、今回初めてその存在を知りました。寺社を回り、朱印を押印し、一筆書いてもらい、お守りにする冊子だそうです。写真は飛鳥新社発行の縁結びにフォーカスした「御朱印帖」。前半は縁結びの寺社を紹介し、後半は朱印を押してもらう白紙ページが綴じられています。同書には明治神宮の隣のページに陽運寺も掲載されています。副住職、少し嬉しそう。

■なんでも相談所としてのお寺

昔はお寺や神社は、冠婚葬祭だけでなく、個人の相談事が持ち込まれたり、学ぶ場や集会所としても活用されていました。今では悩み事というと心療内科やカウンセラー、ビジネスのトラブルであれば弁護士ですが。

陽運寺には、恋愛相談や祈願を中心に悩みのある人が訪れます。植松副住職に、「難しい相談事にはどのようなものがありますか」とたずねたところ、「どれも大変です」。そうですよね、シリアスな悩みを抱えてお寺の門をくぐるのでしょうから。。。

例えば縁結び。「好きな人と一緒になりたいので、その人が現在付き合っている人と別れて欲しい」という相談があるそうです。

「えっ、本当にそんな(奪略愛を祈願する)人がいるんですか?」
と礒井さんと口をそろえると、いるどころか結構多いとか。

「そうなると、根本的な部分から説明します。自分の幸せだけを願って、人の不幸を願うのは良くないと。けれども、なかなか理解してもらず、怒って帰る人もいます」

確かにそれは大変です。

「憑いていることもありますしね(さらりと)」(副住職)
「ええっ!!」(礒井・小林)

世の中には不思議な事もあるものです。

友人から「四谷怪談の陽運寺でイベントを開催するんですね。驚きました。私にはリアルすぎて参加できません」との意味深なメールも届き、まだ夏には早いのですが、一足早く怪談のひんやり感を満喫中です。

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(opnlab  小林)


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「お坊さんが語る日々の営み」
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 詳細・お申し込み:http://www.opnlab.com/events/otera

内容:日本における仏教、お坊さんの仕事の内容、荒行といわれる修行の様子、住職になる方法、お休みの日の過ごし方、そもそもお休みはあるのか、など、普段あまり聞く機会のない仏教とお坊さんの仕事・生活についてお話いただきます。

お寺を開放感のあるオープンカフェに変身させ、仏教とお坊さんについてゆるやかに知るイベントです。まち塾@まちライブラリーとのコラボなので、「本」をもちより交換します。(詳細はサイト参照)

写真は陽運寺のまち塾@まちライブラリーの本棚と主催の礒井さん。




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