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簡単そうで意外と細かい手順と心配りが必要な「事務局」。ビジネスセミナー、周年パーティ、小規模勉強会からPTAイベントまで、事務局の現場から、企画からスムーズな運営、場づくりの失敗と成功を紹介します。

無料セミナーが増えている

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 こんにちは。オプンラボ 小林利恵子です。本ブログでは、セミナーコーディネーターの視点で、意外と手間・人手・お金がかかるセミナー運営を、効率的かつ魅力的なイベントとして成功させるポイントを紹介していきます。


・広報・営業手法として広がるビジネスセミナー

 近年、数多くのITベンダーやメディア、銀行、証券会社、不動産など様々な分野の企業が、無料でセミナーを開催しています。特に、IT系のセミナーは頻繁に開催されており、イベント情報サイトの「@ITイベント」を見ると、有料・無料も含めて毎日次々に新しいセミナー情報が追加されていきます。

 例えば、コンサルティングファームなど、飛び込み営業で売るのが難しいサービスの業種もセミナーを有効な営業手法として活用しています。セミナーは見込み客を効果的に集めて情報発信ができます。「1 対 多」あるいは「多 対 多」で、時間を確保してリアルなコミュニケーションをとれるので、エンゲージメント(きずな)をつむいでいくことで、受注につながる可能性が高まるためです。

 特に、ITなど技術の進歩が速い分野や理解するのが難しく複雑な分野、金額が高い商品などの分野はセミナーに適しています。セミナーを通じて見込み客に時間をかけてじっくり解説することで、会社や商品、話している人自身をよく理解してもらい、信頼を得ることができるからです。

・目的は何? ターゲットは誰?

 セミナーを開催する際、最初にするのは「目的」と「ターゲット」の明確化です。そのセミナーの成果は何か、ターゲットについては、役職、業種、課題として抱えていること、年齢、性別などについて具体的に検討します。これを省くと、途中で企画が二転三転することも。

 Webのベンチャーの制作会社が「会社の認知度を上げる」を目的とした場合、ターゲットは企業の「Webマスター」または決済権がありそうな「経営企画」や「マーケティング・宣伝」の部門にする、という感じです。

 目的とターゲットを設定した上で、参加する人の視点で企画を考えます。どのような情報を欲しいと思っているのか、何に困っているのか。また、それらを知るために、開催する分野のメディアで話題になっていることは何か、他社はどのようなセミナーを開催しているのかなども調べます。

 最近であればWeb関係者にとって「ソーシャル」や「スマートフォン」の対応は関心の高いテーマです。ただし、単に話題のテーマをもってくるだけではなく、目的が自社の認知度をあげることであれば、「Web戦略」「情報設計」などの自社が強い分野のテーマをプログラムに組み合わせて、存在感をアピールします。

 そして、セミナーの取り組みをスタートするからには「1回のセミナーで大人数を集めて力尽きてしまう」という特別なイベントではなく、継続して開催することでターゲットとの関係性を長期的に築いていくよう設計していきます。
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