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東京オリンピック/パラリンピックでのトンデモ案件

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東京オリンピック/パラリンピック(以下、単にオリンピックと略します。オリパラという略語は嫌いなので)に関して、いろいろなトンデモ案件を聞きますが、元情報を調べて見ました。

まず、最近話題を呼んでいる夏時間。オリンピックに関していろいろな委員会がありますが、公式な情報はわかりませんでした。もしかして、一部の人の思いつきではないかと疑ってしまいます。なぜならば、少し考えれば、効果がないだけでなく、導入は非常に困難なことに気づくはず。技術的な課題は、上原哲太郎教授の資料に詳しいので、僕は他の視点から。
夏時間にしても、早い時間に実施する一部の競技を除き、暑さは解消されません。英語でDaylight Savingということを考えればすぐにわかること。明かりの節約にはなりますが、気温が変わるわけではないので、暑さ対策にはなりません。暑さ対策したいならば、早く開始して、昼間は休憩し、遅めの時間に働く、農家のようなパターンがいいのでは。
次に、夏時間は日本国内だけの問題ではなく、日本と取引する国や人にも影響します。これからの短期間でやりますか?
夏時間に賛成する人の多くは、課題がわかっていないか、暑さ対策になると勘違いしているか、それともこの機会の金儲けを狙っているか、いずれかでしょう。こんなことに貴重な税金を投入して欲しくないので、金儲けは他でしてください。

祝日の移動は、オリンピックに関係しない人や地方、つまり多くの人には暴挙でしかありません。特に体育の日。これを移動するのではなくて、特別な休みを1日だけ作れば良かったのに。

さらに時差出勤やオリンピック期間をにらんだBCPまで、出てきています。もはや、主催者側が自ら災害と宣言しているようなもの。
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に係る交通輸送円滑化推進会議なる検討機関があります。
第1回2017年5月18日議事録で、丸川オリパラ担当大臣(当時)が「ロンドンやリオと異なり、東京大会の競技会場、選手村、メディア関連施設等は、日常の交通需要が高 い首都圏に分散をしているため、広くかつ多岐にわたる市民生活や経済活動に影響を与えることになる」と発言しています。今更言わずに、東京を立候補させないでほしかった。
さらに、第3回2018年5月25日では、交通需要抑制に向けた 取組についてと言う東京都 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の資料で、「今夏から協力いただきたい事柄【各企業内での準備】」として、以下の項目が挙げられています。

  • 夏期休暇制度、ボランティア休暇制度の導入
  • テレワーク・時差出勤制度の導入と実践
  • 大会時を想定した各企業の行動計画づくり

とあります。これらが時差通勤やBCPの元ですね。

最後に、打ち水の件。東京2020大会に向けた東京都「暑さ対策」推進会議で、「打ち水等暑さ対策の気運醸成(打ち水の普及促進)」とあるので、まあいいでしょう。おもしろおかしく取り上げるネタではありません。

そもそも、夏の日本の暑さ、もともと人の多い東京、と言ったわかっていた問題を対処しているだけ。せいぜい頑張ってほしいけれど、開催地はともかく、時期を変えるのが一番と思います。少なくとも、無意味なことに投資したり、人を巻き込まないでいただきたい。

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