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一部マスコミは無責任にブロックチェーンを持ち上げないでほしい

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今回のbitcoinの分裂騒ぎのようなことが起きることは容易に予想できたこと。今回なんとか凌いだとしてもこれで終わりではありません。中央の管理組織がないことは特徴ですが、言うまでもなく良いことばかりじゃない。とは言え、熱心な関係者がいる限り存続はするでしょう。僕が最も心配するのは、マイナーのインセンティブが小さくなっていくと思われること。疑問は既に昨年初めに書きました。

さて、ちょうどいいタイミングで届いた日経エレクトロニクス8月号は特集が「ブロックチェーン、IoTの革命児」です。読んで見ると、これがひどい。ブロックチェーンの3つの特徴は、「認証」、「改ざん防止」、「ピアツーピア(P2P)で共有」だそうです。これらならば、既存の仕組みがいくらでもあるでしょう。ブロックチェーンは不特定多数を対象に中央の管理組織無しに運用できる台帳管理(的な用途)に特徴があり、限定されたメンバーで運用するならば他の手法と比較しないと意味がありません。例えば、同じ3つの特徴でも、以下の記事は違うことを言っています。こちらの方が正しいでしょう。
コレ4枚で分かる「ブロックチェーン」

同特集で、具体例としてあげられている中には、運営は特定の会社だったりするサービスがあり、なぜブロックチェーンを使うのか不明です。そもそも手段と目的を履き違えているか、記者が理解しないままに書いてしまって重要な特徴が記事から欠落しているのか。技術誌の記事ではありません。

日経エレクトロニクス誌、数年前にだんだん薄くなって来ていると思ったら、隔週刊から月刊になり、厚さは戻りました。ところが、ここ最近、また薄くなって来ています。このレベルの記事を書いているようでは絶望的。長く購読しているので残念です。

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