ビジネスの本質が「競争」だとしたら、商いの本質は「共創」です。顧客や社員、さらにビジネスパートナーたちとの「価値の共創」をビジネス・経営のテーマとして捉え、実行するための知恵や工夫を、国内外の事例を含めて紹介します。

変化する財布の中身から読む「商売のヒント」

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■ファストファッションの流行
みなさんは、服を買うとき、どこで購入していますか?
ユニクロやGapなどのファストファッションでしょうか、専門店・セレクトショップでしょうか?それとも、百貨店をブラブラしながら気に入ったものを買う人もいるかもしれませんね。

ただ、やはり昨今ではファストファッションと呼ばれる、スタイリッシュで低価格な店で購入する人が増えているのではないでしょうか。

ファストファッションの背景という記事によると、米国民における財布に占める「衣類」の割合が年々、ものすごい勢いで減少していることがわかります。
購入点数は増加しているが、購入額は減少しているということは、単純に製品単価が低下しているわけなので、ファストファッションの購入比率がものすごい勢いで増えていることが想像できます。


さて、商売人として考えるべき問題はここからです。

■減少した消費はどこに消えた?
衣食住という三大項目である「衣類」。この衣類の財布に占める割合(ポケットシェア)が減少したということは、当然、ほかの何らかのポケットシェアが大きくなっているはずです。

内閣府調査データをもとに、おもてなし感動研究所が作成したデータを見てみましょう。

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1994年の消費額を100%(基準点)とした場合の、国内家計最終消費項目の推移をグラフにしています。

衣類は「半耐久財」になるので、米国同様、日本においても消費金額が減少傾向であることがわかります。

耐久財(家・車・家電など)はかなり乱高下していますが、1997年に行われた消費税増税の影響が大きいですね。駆け込み需要とその反動が顕著に表れています。

1994年からもっとも消費比率が伸びているのが「サービス財」です。
このグラフを見ると、半耐久財の価格が大幅に下がったことで消費金額が減少し、その減少分がサービス財へシフトしていることがわかります。

こうした生活者の消費トレンドの変化を捉え、商売人として次の一手を打つとしたら何が考えられるでしょうか?

■伸びている財に注目する
衣類(アパレル)業界の視点で考えると、すでに、ここまで高品質・低価格なファストファッションが普及した以上、商品単体で「高くても買う」というバリューを出すのはかなり難しいと思われます。

しっかりと価格に「プレミアム」を乗せて、十分な利益を獲得するために着目したいのが、不況下でも順調に消費を伸ばしているサービス財です。

「製品」の所有・保有から「サービス」の体験に生活者の消費力点が推移していることに着目し、半耐久財のサービス化を検討してみる価はありそうです。

耐久財の業界では、すでにアフターサポートや保険、手続き代行などのサービスを商品である車や住宅とセットにするサービス化が進んでいます。トヨタのレクサスなどが代表例的ですが、製品単体ではなく購入前・購入中・購入後の「体験」を価値にした耐久財のサービス化はこれからも加速するはずです。

一方、半耐久財のサービス化はまだまだこれからといったところであり、十分な市場が見込めそうです。

■体験という価値がプレミアムに
たとえば、bemoolというサービスは「あなたに似合う服をコーディネートする」購入体験にフォーカスしたサービスです。
従来セルフサービスだった洋服選びを、スタイリストが自分の代わりに選んでくれる点がバリューになるわけです。


今後、グローバルブランドの参入などにより、国内市場はますます低価格化が進むと考えられています。
そんななか、しっかり価格にプレミアムを乗せて商いをするためには、「体験」というバリューを付加したサービス化という選択肢を検討してみることが、必須の作業になるかもしれませんね。

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