オルタナティブ・ブログ > 普通のおじさんとソーシャルメディア。 >

小さな会社のウェブマスターがパーソナルブランディングについてごにょります。

【読んでみた】『発想力を伸ばしたかったら彼女を変えろ』(←という本じゃないのですが)

»

わたくしが勝手に憧れている、際コーポレーションの中島武社長の新刊『成功者は端っこにいる~勝たない発想で勝つ』が、当然のようにおもしろいのでご紹介。
どれくらい好きかというと、以前一度お会いした時にいただいた名刺を、パウチしていつも持ち歩いているほどです。

なぜか惹かれるんですよね。

うーん、何でだろう。きっと、自分と正反対の存在というか、自分にない能力ばかり持っている方だからかなぁ。
よく、人間は本能的に自分のDNAとなるたけ遠いであろう配偶者を選ぶなんていいますが、それに近いのかもしれませんね。
この人から学んでバランスを取れと、神様が言っているのでしょうか。

あ、超個性派の方ですから、もしかすると敵も多いのかもしれませんね。
でもわたくしはやはり好きです。(・∀・)

さて、新刊は読みやすいビジネスエッセイといった感じ。
語り口調なのでスイスイといけます。

20130907_12_02_59
(続けて、未読だった過去の本も読んでるー。)

「生き方論」「思考法」「リーダー論」「仕事術」というように、章ごとにテーマは分かれてはいますが、内容的には一気通貫しています。
もう、「中島臭」がどのページを開いても漂ってきます。(笑)

具体的には「存在感を出して生きる!」まさに中島社長の真骨頂であるこのあたり。キーワード的に何度も出てきます。
その立ち回り方など、ちょっと今話題のテレビドラマ「半沢直樹」を彷彿とさせる部分もあります。堺雅人さん演じる半沢も、存在感はハンパないですもんね。

いつものように、特に印象に残ったフレーズを引用させていただきます。

・生きていくうえでも、何度かリノベーションを迫られることがある。(中略)こんなときには、頭のなかの発想を変えなくてはならない。いちばん手っとり早いのは、「友だちやいつも会っている人を総取り替えしてしまう」ことである。

・私はオタクを買っている。特に商売をやっている場合にはオタクになったほうがうまくいくし、オタクにならざるを得ないときもある。

・自己主張、自己顕示欲である。存在感の強い人は例外なく、この「自己」を押し出す術にたけていると言っていい。(中略)彼らは全身で存在を主張しているのである。その声ならぬ声を人々は聞くのである。自己顕示欲、自己意識を強い電波のように感じ取るのだ。

・「発想力を豊かにするためには、どうしたらいいですか?」
と聞かれたら、こう答えるようにしている。
「あなた彼女います?」
「います」
「早く別れなさい。そしてまったく別のタイプの女とつきあいなさい」
(中略)
つまりはあなたの生態系が、がらりと変わってしまうのである。
しかも重要なのは、この現在の生態系は、その前の生態系の上に重ね塗りされているということだ。前の生態系は消え去ったわけではなく、ちゃんと今を下支えしているのだ。そのときの発想が、ときおり現在の生活の節々に顔を出す。
そういう生活のなかで息をしていると、過去と現在の重ね合わせのなかで発想するから、人の発想はシンプルではなく、複雑になる。それがいいのである。

・「考える」と「見る」、これは発想力を強靭にする両輪と言っていい。

うーん、わたくしが編集者なら、「発想力を伸ばしたかったら彼女を変えろ」にするかな~というくらい、このクダリはおもしろいと思いました。
あ、女性の場合は「彼氏を変えろ」に読み替えてくださいね。

そう、わたくし自身、まさにこの通りだったのです。
大学時代から長く付き合った、年下で大人しい性格の彼女に振られて、その次に付き合うことになったのが今のカミサンなのですが、これが全く逆の人種。同い年、仕事もやり手で、何も手に職のないわたくしと違ってバリバリのクリエイター。お酒も強く、まわりの男性陣からは常に一目置かれる猛女。
なんでわたくしと結婚してくれたんだろう。(^^ゞ

見た目からして覇気のないわたくしとは、それこそ正反対のタイプですね。飲食店に入っても、一回で覚えられますし。

あー、そう考えると、ある意味「自分と似たタイプ」であった前の彼女とはなかなか結婚するイメージが湧かなかったのですが、カミサンと付き合ってからは、かなり短期間で結婚に至ったのは、最初に書いた「本能」が強く作用したのかもしれません。

ま、それは置いておいて。
交友関係も幅広く、何でもガンガン行くカミサンといつもいっしょにいるようになり、地味なわたくしの生態系は一変したんですね。
今までなら会うはずのなかった種類の人たちと知り合い、目や耳に触れるはずのなかった趣味、クリエイティブに触れ、行くはずのなかったお店に出入りするようになります。

それで人間変わらないはずがありませんよね。
もちろん、生来持っているものはなかなか変わらないし、ましてや大人ですからどうしようもなく固まってしまった部分もある。
しかし、自分でも「可変部分ってまだこんなにあるんだ!」と驚くほど、考え方や感覚、好みも変化したのです。

当然、自分の中から出てくる発想も変わります。
そのなかで、一番最初に現れたものが、転職、かもしれません。大会社から、従業員7人の零細文具店へ。

その後は、それをフレキシブルな環境への変化と前向きに捉えて、「普通の社員っぽくない」ことをいろいろしていこうとしているわけですが、どんな局面においてもカミサンの影響は出ていると感じています。
ただ、根底には「地味」「控えめ」「なるたけ謙虚に」という元からのレイヤーも存在し、それがいろいろと交錯して今の自分があるんだろうなと、この本を読んで再確認した次第です。

そして「複雑系」ですね。
今後の重要なキーワードのひとつだと思いますが、どれだけ多くの生態系を持っているかで、発想の質も量も変わってきます。
わたくしも、また違うレイヤーを求めて、(さらに新しいカミサンもらうわけにはいきませんからw)ソーシャルメディアを最大活用して交遊の幅を広げようとしております。

歳を取れば自然に積み重なっていく「経験値」のレイヤーとともに、発想やアイデアの元となる生態系を複雑にして、「ちょっとおもろいオッサン」になれたらいいなと願いながら。

成功者は端っこにいる――勝たない発想で勝つ (講談社プラスアルファ新書)

        中島 武 講談社 2013-08-21
        売り上げランキング : 5918
               by ヨメレバ
繁盛道場―愛されるお店をつくる二十二の法則

        中島 武 日本経済新聞出版社 2007-08
        売り上げランキング : 21533
               by ヨメレバ

Comment(0)