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 前回、ビジネスプロセスの3大機能の「コミュニケーション機能」が、独立した機能と認知されていない旨の現状認識を書いた。私がこのような認識に至った、ビジネス現場の雰囲気を共有化がてら紹介してみたい。

 インターネットがビジネス領域に出現して以来すでに12年程が過ぎた。ビジネスのスピードは加速しつづけ、我々の扱う情報量とコミュニケーション量たるや数十倍となって少々持て余しているのが今日の私の姿だ。

 最もリアルな世界であるモノづくりの現場でさえ、スピードは格段に速まっている。お茶の間の王様とよばれるカラーテレビは、かつて発売されると2年近く販売寿命があったが、今はデジタル化して一年を切りモデルによっては半年となっている。それだけ、設計期間も短縮し、スピードアップしているということだ。ノートパソコンに至っては、3ヶ月程度でディスコン(生産打ち止め)になる。発売後すぐに売り切り御免なんていうモデルもある。その理由はメーカーにとって切実なものだ。どんどん新しいコストダウン技術がどこかで開発投入されるからだ。このスピードアップは、IT/Web技術のなせる技でもある。ここでいう新しいコストダウン技術とは、同じ性能なら安くできるという意味と同義語であって、新しい部品を使わざるを得ない状況にメーカーは追い込まれてしまう。モデルチェンジしなければ、コストが高く性能の悪いモデルで、儲からないビジネスを継続するほかなくなる。そして、あっという間に莫大な赤字をしょい込む。そして、消費者によって市場から排除されてい行くことになる。

 どこのメーカーでも同じような部品デバイスを使い、同様にコストの安い中国で生産し、同じような物流網をもって全世界に供給している。さらに、同じような店で販売されていくことになる。つまり、差異化する要素はほとんどないのである。

 となると、ビジネス競争力の差はどこでつくかというと、社内コミュニケーション、ひいては意思決定のスピードということになる。設計でもデザインでも、はたまた宣伝であっても品質であっても、それを構想し調整するには人と人が相談しながら決めていくしかない。この人と人が相談しながら意思決定し、行動に結び付けていくスピードが早ければ早いほど成功確率は向上し、失敗を取り戻せるチャンスの回数も多くなるということだ。

 競争優位に立つためには、コミュニケーションロスを極限まで減らし、一刻も早く市場投入するしかない。量販店のバイヤーに早く持ちこみ、徹夜してでも素早く店頭に並べたメーカーが有利なのはいうまでもない。一方、発売したばかりの新製品でも、評価が悪ければ一週間で生産中止を判断しないと、一年分の営業利益がぶっ飛ぶということすらあるのが昨今のPCビジネスだ。
 このビジネスの世界で生き残りたければ、素早いコミュニケーションと素早い行動を極限まで研ぎ澄ます、という厳しい現実を理解するしかなさそうだ。

Patina

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奥田隆介

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