NSI市場情報ブログ:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS)

NSI市場情報ブログ

IT/通信他の海外・国内市場動向、話題、ニュース

世界最大の人口を持ち、携帯電話市場としても世界最大級市場と見られている中国の「携帯電話市場の動向」を見てみたい。

中国でもハイエンド・サービスである3G規格に政府も大きく力をいれているが、通信事業者及び政府で意見の相違が出ているのが現実である。北京、上海、広東と言った大都市を中心にハイエンドの携帯電話需要が見込まれているが、中国全土、特に内陸部も含めた携帯電話利用の拡大を推し進めるのは結局「超低価格端末」によるローエンド・ユーザになりそうである。都市部の既存の利用者市場よりも経済的余裕の無い新規利用者獲得が重要と見られており、特に新規参入通信事業者達は端末機の低価格化に積極的である。内陸部は固定電話インフラも充実していないことから携帯電話が重要視されるが、経済的に余裕がない面も多くあることから超低価格端末がより必要とされるでしょう。そのため、中国では端末機器の段階的な価格引き下げを続ける可能性があるが、価格体系、流通体系を乱さないことが前提になる。

モトローラは工場渡し価格40ドルの低価格機を6月より出荷し、その後のモデルを30ドル以下にすることを発表しているが、他国市場/通信事業者向け契約が600万台に達しており、生産が追いつかないことから、中国市場に入ってくるのはまだ時間がかかるとされている。しかし、モトローラは、中国市場シェア最大のノキアに対向して、中国の都市部対象の3000元以上のハイエンド市場に加え、内陸農村部対象のローエンド・ユーザ戦略も進めているようである。しかし、超低価格機による携帯電話市場拡大には、メーカは低価格端末からの利益獲得技術が必要となるし、通信事業者も後進地域でのサービス提供が大きな課題となる。

中国携帯電話市場で他に重要視されているのは、密輸品、クローン製品、改造品による「ブラックマーケット」の横行である。中国通信市場調査会社BDA China社によると、このブラックマーケットとして、2004年には1000万以上の端末が売られており、実際には2000万台以上とも言われている。これは、中国で利用されている携帯電話端末合計の一割以上と言うことになる。中国国内の主要端末メーカによるブラックマーケット対策が6月より開始されている。

市場ウォッチャー

その後のTiVo 2005/06/19

皆様と比べ堅苦しいテーマで申し訳ないのですが、海外の話題の市場を報告して行きます。

IT・通信の海外市場調査を行う弊社で、顧客からの目下情報ニーズが高いもののひとつとして”情報家電とハードディスク”及び”通信と放送の融合”が上げられます。古くはホームオートメーション、その後はホームネットワークと言う言葉がキーワードとなりましたが、問題は”何に使うのか?”のキー・アプリでした。やはり、現在は情報の蓄積ニーズが同時に通信と放送の融合にも関連してくると思われます。1999年にTiVoにより開始されたDVRの動きがそのテーマのひとつになるでしょう。

私のパートナーで、シリコンバーレーで「米国デジタル・ブロードバンド放送産業」市場をウォッチしているNSIリサーチからの報告を紹介します。

ITmediaでも2003年に取り上げていたTiVoですが、米国で、2000年には73,000の加入世帯数でしたが、2004年にはDVRの普及は前年の2倍以上の700万世帯に達し、この内、TiVoはシェアーは35%を持っている。TiVoは当初からそのコンセプトの啓蒙に力を入れて来ましたが、その啓蒙活動の効果により、今では、TiVoはDVRの代名詞になっており、TiVo以外のベンダーのDVRを使っている人でもDVRに録画することを"I tivo'd the show"と言っている。それだけTiVoブランドが一般化している。

しかし、TiVoの将来は必ずしも明るいとは見られていない。その理由のひとつとして、現在、TiVoはその販売の多くをDirecTV社に頼っているが、DirecTVはTiVoとの2007年までの現契約をその後は更新しないと発表していることが上げられる。その理由はDirecTVは兄弟会社のNDS社の技術を利用した蓄積型STBを今年から提供するからである。又、今年、OpenCable規格を採用した汎用のデジタルケーブルTV向けDVR内臓STBが家電メーカから発売されていることもTiVoの競合が増えることになる。TiVoはプレヤーを$200に下げ、おまけにリベートを付け$100で売り、機器で利益が出なくてもサービスで利益を出す路線を取っている。しかし、今年度の赤字は8700万ドルに達し、創業からの累積赤字は6億ドル以上になっている。DVR市場は本格的になってきているが、その市場を作ったTiVoが苦境に立っているのは皮肉である。一方、TiVoは、TiVoプレーヤに録画された番組をラップトップパソコンのハードディスクやDVDにコピーし、出先でも録画番組を見られる"TiVo To Go"サービスを開始しており、映画会社等から不法コピーを可能にするとのクレームが出たが、FCCがTiVoの技術を認めたことでサービスは可能になっていることから今後の健闘が楽しみである。

市場ウォッチャー

IT・通信関連企業にとって技術進化の激しい同分野では、市場の動向・競合社の動きを含む市場情報の把握は重要要素であることは言うに及びません。そのため市場調査会社利用が方法のひとつとなりますが、それには大きく分け2つの利用が行われているようです。ひとつは調査会社が行う或いは出版する年間プログラムサービス・市場分析レポート・ニューズレター類他の利用で、いわば調査会社からの”既製品サービス”の利用です。もうひとつは、自分の希望する特定対象を委託調査として発注することです。前者は、定期的、定量的に市場把握(特に市場数値)のための利用が多いようで、後者は新規事業及び海外市場への参入等のために必要となる特定情報把握のために行われています。

調査会社を利用し市場調査を行う場合、特に委託調査発注において、幾つかの気をつけなければならないポイントがあると思われます。すなわち、

1. 調査会社の選定:調査会社の存在には両極端があると思われます。ひとつの極端は市場数値を中心にした大きな(グローバルな)データベース構築を行ない、それをベースにした分析情報提供を行う会社。反対の極端は大きなデータベース構築がないので、ヒアリング等”動き”による情報収集・分析を行う会社です。これらの両極端の間に種種なタイプの調査会社が存在しており、それぞれ異なる特徴を持つので、調査目的に合った調査会社はどれなのかを選別することが重要です。

2. 調査目的を明確に調査会社に理解させること:希望調査項目の提示だけで、真の調査目的を調査サイドに理解させないと調査・分析する側も困惑し、的確な調査分析結果にならないケースが多々あります。

3. 製品・サービス定義の違い:特に海外市場調査において、日本での製品・サービスの定義と海外での定義の違いがある場合があり、調査結果が的外れになる事がありますので、これも要注意です。

まだまだ多くの注意ポイントがありますが、このくらいにしておきます。如何でしょうか?

市場ウォッチャー


プロフィール

水澤 元典

水澤 元典

日本ストラテジック株式会社代表で、20年以上、海外/国内IT・通信市場調査、分析データ紹介他を行い、多くの海外調査会社との連携を持つ。

詳しいプロフィール

最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2011年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif あなたが常に持ち歩く防災グッズは?
ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」では、ITにまつわる時事情報などを日々、約260人のブロガーが発信している。その中から今回は「震災対策」「クラウド」「炎上」などを紹介しよう。(2/11)

news094.gif 富士通元社長の山本卓眞氏が残した次代へのメッセージ
富士通の社長、会長を務めた山本卓眞氏が亡くなった。哀悼の意を込めて、日本のIT産業界の大御所が残した次代へのメッセージを紹介しておきたい。(2/6)

news094.gif 東北をコットンの生産地としてブランディングしたい──リー・ジャパン・細川取締役
塩害に強い綿の生産で東北に新たな産業を作りたい。オーガニックコットンの採用など、環境負荷を下げるジーンズ生産に取り組んできたリー・ジャパンの新たなチャレンジとは──。(1/30)

news094.gif 東北から始まるイノベーション
企業のICTを活用と若手IT技術者による東北発のイノベーションが、中長期的な震災復興の鍵となる。(1/27)

news094.gif 貧困国の雇用を創出する印刷屋、丸吉日新堂印刷の挑戦
全国から約2万7000件の名刺制作を受注をする札幌の小さな印刷会社の成功の秘密は、地道な社会貢献にあった。(1/16)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。

Special

- PR -

サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ