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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

初心者だから安物でいいと言うお客に、高いものを買いなさいと勧める店はいい店だろうか?

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ここのところ、土日に台風が来て大雨になり、月曜から数日晴れるというのが繰り返されていますね。

そんな中でもめげません。先週は雨の中、神奈川の大山に登ってきましたし(途中でバカらしくなって引返す)、昨日は先週以上に土砂降りの中、子連れでレインコート着込んで近場の散策コースを歩いてきました。(子供にとってはいい迷惑)


ところで、掲題の件。

最近、若い社員と営業談義になった後、「私は初心者だから安物でいいと言うお客に、高いものを買いなさいと勧める店はいい店だろうか?」と考えることがありました。


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たとえば、あなたが友人に誘われて今度山に登ることになったとします。(また山の話か)

友人から「とりあえず靴が必要だから買ってきな」と言われて、神保町あたりのショップに来たものの、登山靴にもいろいろ種類があってどれを買ったらいいかわかりません。

そんなとき、店員にアドバイスをもらおうというのは自然な流れですよね。

あなた「すみません、今度山に登ることになりまして。私、こういう靴を買うのは初めてなのでどれを選んだらいいか皆目わからず。。」

店員さん「どの辺の山に登りますか?」

あなた「八ヶ岳あたりに連れて行ってもらう予定です」

店員さん「なるほどー。いいですね。そうしたら、こちらの靴がお勧めです。」

あなた「えー、これですか?ずいぶん本格的ですねー。しかし値段も一流じゃないですか。3万円とかしますよ。」

店員さん「そうです。八ヶ岳といえば2500m以上ある山です。今後もそのクラスに登られるのであればこちらの靴が断然お勧めです。」

あなた「でも私は初心者ですし、まずはこっちの6,800円の靴でいいんですが。」

店員さん「そちらですか?そちらはハイキングシューズですよ。まぁ登って登れないことはないでしょうが、足首の負担や湿った道でのグリップ力などを考えるとこちらの靴レベルが必要ですね。しかも八ヶ岳なんかに履いていったら持って2シーズンでしょう。」

あなた「そ、そんなもんですか・・・」

店員さん「そうです。初心者ほどいい靴を履いていっていただきたい!これはあなたの安全のために言ってます。そして、お客さんもそっちの安い靴で登れば、いずれ必ず後悔して、きっとこの3万円の靴を買いたくなると思います。そうなると6,800円丸々のロスになりますよ。」

あなた「なるほどねぇ」

そう言うとあなたは「少し検討します」という言葉を残し、その店を出ると少し離れた別の店に入り、店員に1万円くらいの靴で八ヶ岳に登れるかと聞き、その店の店員は「まぁ、、、最後の判断はお客さま次第ですからね」と中途半端なことを言い、結局、その店で1万円の靴を購入します。

そしてやはり何回か山に登ってみると、「ちょっとこの靴ではフィット感が足りないし、湿った道では滑るなぁ」などと思うようになり、3万円の靴を買いにいくことになるのでした。

もちろん最初の店ではなく、後の店で

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このやり取りの中で、最初の店の店員は間違ったことを言ったでしょうか?

いえ、お客さんの身の安全とコストの両方から完全に的確なアドバイスをしていますよね。

一方、あなたは(あなたというか、私もそんな行動を取りがちです)、その店員の言うことを聞かなかったばかりか、微妙にオリジナルの判断を入れて余計に傷を深めています。

店員は間違って無く、態度が取り立てて悪かったわけでもないにも関わらず、店は売上を逃してしまいました。

つまり完璧なアドバイスをする店員であっても、そのような接客を続けていれば売上は下がり、店は潰れてしまうかもしれないということですね。

店が潰れれば、その店員は二度と初心者の登山者にアドバイスすることができなくなり、トータルでは僅かに日本の登山リスクが上がってしまうことでしょう。

これはどうしたものでしょうか。

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