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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

敢えて今、中小企業で安定した生き方を目指す

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ごく希にですが、就活・転職コンサルタントと言われる人のブログを眺めることがあります。そこでよくこんな流れの展開が見られます。

「今のような不景気な時代は皆、安定志向。そのため公務員や大企業が人気ですが、競争率も高く入りにくい。一方、不安定な中小企業は人気薄で、人不足。当然入りやすいです。ここは発想を変えて安定性よりもやりがいを求めて中小企業を狙ってみるのも面白いのでは?」

これ、ちょっと違う気がするのです。

「不景気な時代は安定志向」は、現実にそうなのでしょうから、異論はないです。

しかし、「大企業=安定」「中小企業=不安定」という発想がイケてなく、これからの時代は、「安定」とは外に求めるものではなく、自らの中に求めるものだと思います。

安定していると思って大企業に就職し、その中で安穏と暮らしていたら、その会社からリストラを受けた際に生きてはいけません。逆に中小企業であらゆる業務をこなす力をつけていれば、その会社が倒産しても、

「やってることはだいたい分かった。会社作って同じことをやってみよう。」

と思えるかも知れません。

それが、本当の意味での「安定」というものだと思うのです。

「安定志向」=「自分一人でも生きていける力」です。安定していると思われる組織に入ることが安定ではないでしょう。

 

▼中小企業に抱く誤解・偏見と、だがそれがいい

そうは言っても、中小企業なんてどうせ分からず屋の社長がいて、怒鳴られるわ、トイレ掃除させられるわ、飲みに連れて行かれて延々説教されるわ、大声で社訓を唱和させられるわ、連日連夜サービス残業させられるわ、なんだろ。ヤなこった。

と怖れる気持ちも分かります。確かにそういう会社もあるのかも知れません。

しかし、それら多くの想像は誤解や偏見による杞憂です。あるいは、いくつかが現実であっても、別に悪いことではない、ということもあります。

ちょっとみなさんが漠然と持っているであろう中小企業に対する偏見をいくつかピックアップしまして掘り下げてみたいと思います。

ちなみに、私は大学卒業後、2年ほど会計士の資格など目指してフラフラして過ごした後、創業30年社員数50名弱の地方の中小企業に就職しました。すべてではないですが、ある程度実体験に基づくお話です。

 

  • 社長がワンマンでは、若い発想の意見が取り入れられない

まず社員数が50人以下の中小企業で、ワンマンでない社長なんていません。っていうか、逆に気持ち悪いです。ワンマンの対義語は合議。物事を合議で決めると言うことは、責任の放棄、スピードの喪失、没個性、で何一ついいことはありません。とにかく会社経営においてワンマンは非常にいいことです。

しかしワンマンと「人の意見を一切聞き入れない」とは別です。

ワンマンだから、きっと自分の若くて斬新なよい意見は取り入れられない

という発想はちょっと違うと思います。自分の意見が社長に取り入れられられないのは、自分の意見が社長に追いついていないから、と考えるべきでしょう。

まず社長と同じレベルで物事を考えられるようになり(同じことを考えるという意味ではない)、日々の細かいことで社長から「そうそう」、「そうなんだよ」と言われるようになれば、やっと独創的な意見を言えるレベルに成長できたということです。

そして大事なことは、もし仮にあなたが社長から絶大の信頼を得てしまえば、自分の意見は、彼の絶大な権力と行動力によって、悉(ことごと)く実行されていくということです。これは痛快な話ではないですか。

 

  • 雑務が多くてプロフェッショナルな技能が身につかないんじゃないのか?

先にも触れましたが、安定とは、究極的には一人で何でもできるということです。黒板五郎の世界です。何事からも逃げず、組織、看板に頼らないというのが、これからの社会での安定した生きる力だと思います。

たとえば弊社では、プログラマーも電話を取ったりトイレ掃除をやったりします。そもそも電話に出られないなんて、30歳過ぎたら許されることではありませんし(後輩に笑われちゃいます)、トイレ掃除なんて当番制ですから月に15分というところです。人生で何も失ってはいません。

寧ろ、今まで母親やビルの清掃の方に任せて、見て見ぬふりをして避けて通ってきたところに敢えて正面から立ち向かうというのは、何事にも替えがたい貴重な経験です。

電話やトイレ掃除は一例ですが、すべての雑務、特に皆が嫌がる仕事をすることは人を大きく成長させます。

この経験が、「嫌なことに当たるときは、感情を横に置いてただ立ち向かえばよい」という姿勢を身につけさせます。この姿勢は職種に関係なく本当に重要です。何かのプロとして認められるための土壌になる姿勢です。


 

  • 今後はグローバルに活動していかない企業なんてダメだと思うんだけど、中小には少ない

「こんな中小企業はダメだから自分には合わない」というのは、中小企業という組織との付き合い方を根本的に見誤っています。

中小企業は優秀な社員が1人入っただけで簡単に変わるのです。あなたが本当に出来る人間であれば、最短で入社したその日から会社全体の雰囲気がガラリと変わります。

数月後には、「社長!ウチ、海外のお客さんもたくさんいるのに、外国人の社員が一人もいないっておかしくないすか!?」と笑って言っているかも知れません。体の内部から癌細胞のようにうまくDNAを乗っ取って変えていけばいいのです。それが中小企業という組織との付き合い方だと思います。

ちなみに自分の立ち位置を頑なに譲らず、組織だけを動かそうとしてもビクとも動きません。組織と同化して始めて組織は動きます。

 

  • 中小企業って安定してなくて潰れちゃうんじゃない?

潰れます。潰れるかどうか、という可能性で言えば、上場会社よりもかなり確率は高いでしょう。あなたが優秀なら割と支えられるかもしれませんが、しかし、それとあなたの人生の「安定」とはまったく関係ないじゃないですか?というのが私の持論です。

ナイフでも、爆弾処理でも、毎日現場で作業して経験を積み、自分の頭で考えて工夫し続けていれば、5年もやれば相当の達人になります。10年続ければ、神の領域です。前に誠ブログ内でどなたかも言ってましたが。

しかし逆に、大きな作戦室で、具体性や蓄積性のない作業をただなんとなくこなしていては、突然ポンと戦場に放り出されたときに、まったく生き残る術がありません。

 

私は、今の不安定な時代だからこそ、安定を得るために、敢えて不安定な環境に自分を置いて、戦うテクニック・ノウハウを身につける必要があると思います。自分を甘やかされた環境に置くことは、人生の安定につながらないでしょう。

  

といっても、中小企業って情報少ないしなあ...


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