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タブレットはPCの代わりにはなりません

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タブレットを売っている人のセールストークとして、ノートパソコンの代わりにiPadなどのタブレットというのはよく聞く話です。
しかし、いわゆるパソコンで仕事をする人にとって、タブレットはとても不便な端末だと思います。

なにせまず、マイクロソフトOfficeファイルがまともに使えません。
最近はそれほど使われなくなったWordはともかくとして、Excelは互換ソフトはあるもののマクロは当然に動かず、ごつい指でセルを指定して、ソフトウェアキーボードで数字を打ち込むのは、とてもストレスフルです。

ましてや、新しく表を作る作業に至っては指で画面をなぞってセルの大きさを決める時点でノックアウトされます。

パワーポイントは比較的ましと思いきや、実際に使ってみるとiPad版のkeynoteでパワーポイントから変換したプレゼン資料を手直しする作業は、資料を最初から作るより時間がかかります。これもごつい指でパーツを配置するのが疲れるんですよね。

そして、ソフトウェアキーボードで長文を書くのは疲れます。キータッチの問題だけではなく、例えば長いメールに対して丁寧に返信しようとすると、ソフトウェアキーボードが画面の大部分を占領し、原文が読めなくなります。
ましてやCADなどもってのほか、指を使ってミリ単位で柱や壁を動かすなんて神業の領域です。
そもそも図面書けるソフトが出ているかも疑問ですが・・。

実のところ、タブレットで表計算もプレゼン資料も手早く作ることは可能ではあります。
しかし、日本人は特になんでしょうが、罫線の細かいピッチや太さを調整したり、大きさを1ポイントだけ小さくしたり、細部にこだわる習性があって、ほとんどの人がそこから解脱するのは容易ではありません。

自分の習慣を変えるだけならまだしも、その資料をレビューする上司の習慣(重箱チェック)まで変えるのは相当に骨の折れる作業ですから、やっぱり生産性は落ちちゃうと思うのです。

ですから、ノートPCの代わりにタブレットを導入しようと思っている人には、正直おすすめしませんとお話ししています。

しかし、だからといってタブレットは仕事で使えないと思っているわけでは決してないです。
それどころか、有効に活用すれば確実にノートパソコンより役に立ちます。

まず立ち上がり速度が違います。ほぼ瞬時です。(スリープでの消費電力が段違いなので安心してスリープ可能)
そして画面の拡大縮小が極めて楽ちんです。
ですので、スキマ時間に情報を確認するのにこれ以上便利な端末はありません。
地下鉄のホームで、ノートPCを開くと起動するまでに電車が来ますが、タブレットならメールを10通は読めるでしょう。
そもそもホームで立ったままノートPCを開く姿とタブレットを見る姿を比べれば、ビジネスマンとしての余裕度が一段違って見えます。

客先ではさらに違います。
ノートPCでは、提案資料を見せるときに、お客様の向かい側からぎこちなく手を回りこませて、マウスカーソルを逆方向に動かして慌てることがしょっちゅうですが、タブレットは紙の資料同様に指でさせます。おまけに拡大も簡単!
ネット上にきちんと資料が上がっていれば、分厚いカタログともおさらばです。紙だけではなく動画も楽勝です。

さらに在宅勤務では、デスクトップパソコンのディスプレイとタブレットを近づけて、数字の照らし合わせができます。
普段紙で業務している人は、紙を並べる行為に慣れてますが、パソコンにタブレットを加えることで同様の感覚で仕事ができます。

つまり、何が言いたいかというと、タブレットはタブレットなのです。
ノートPCは「5分以上時間のある」ときに、「何かを作る」作業を行うものですが、タブレットは「5分以内の時間」で「何かを見たり見せたりする」ものです。
グループウェアを使う場合、長文の掲示板を書く作業はノートパソコンが得意ですが、スケジュールを見たり、資料をダウンロードしたり、上司のアドバイスを受け取るには、5分以内でできるタブレットが有利です。

オフィスソフト中心の仕事ではなく、クラウドシステムから何かの情報を得たり、簡単なフィードバックをするような仕事が中心になれば、タブレットで効率的に仕事ができます。
つまりクラウド的なワークスタイルで会社の業務を回すとき、デスク以外の場所でタブレットはその威力を発揮します。
みなさんのワークスタイルはどっちですか?


ちなみにサイボウズのグループウェアは、フラッシュなどのプラグインなしでも普通に使えます。
なので、iPadとの相性はいいです。
コラボレーションツールを活用してワークスタイルを見直すときには、この組み合わせをぜひご検討ください。

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