50歳を目前にして、自分のやりたいことをやろうとプロの作家を目指す無茶な男のブログ。"ダメ人間"を自認する筆者が、いわゆる"成功哲学"に対して感じるところの違和感を書いていきます。成功を目指す人はこれと逆をやれば成功するはずだし、目指さない人は今の自分でいいんだと安心する、そんなブログを目指しています。

鬱になりそうなときに手放したいもの

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つい先日、鬱病になりそうになった嚢袋堂主人です。

なんとか崖っぷちで踏みとどまったのだが、恥ずかしい話、50歳を目前とした男が将来への不安と恐怖で嗚咽してしまった。

 

● 世の中から見放された気持ち

 

Fotolia_17346816_S.jpgそもそもこのようになった原因は、ある一般企業(出版社ではないという意味)で書かせてもらっている記事に関する打合せにあった。

僕の記事のアクセス数が尻下がりに減っているのだと言う(後で聞けば、ちょっとだけニュアンスが違っていたのだが)。

他のいろいろな悪いことが一斉に思い当たり、僕は世の中に見放されているのではないかと疑心暗鬼になったのだった。 

あの仕事がなくなったのも、別のところでアクセス数が落ちているのも、××さんが最近冷たいような気がするのも、○○さんがなかなか原稿を誠Biz.IDに掲載してくれないのも、全部自分がダメになったからだと思われた。まっしぐらに鬱の谷に落ちる瀬戸際まで行ってしまった。

いまは元気だ。何が引き留めてくれたのだろう。

 

● 天才カーネギーの教え

 

補助線を引いておきたい。デール・カーネギーの話を書く。

カーネギーは天才だと思う。

世の中には、周囲の人のモチベーションを高めるにはどうしたらいいか書いている人は多い。一方で、自分のモチベーションを高めるにはどうしたらいいか書いている人も多い。

しかし、この両方で名著を出している人は、カーネギーしか知らない。天才だというゆえんである。

人のモチベーションを高めるための本が『人を動かす』、自分のモチベーションを高めるための本が『道は開ける』だ。どちらも名著であり、ロング・ベスト・セラーである。

天才カーネギーが『人を動かす』で言う。 

普通の人間なら、まず、次に挙げるようなものを欲しがるだろう。

一、健康と長寿/二、食物/三、睡眠/四、金銭および金銭によって買えるもの/五、来世の生命/六、性欲の満足/七、子孫の繁栄/八、自己の重要感

 このような欲求は、大抵は満たすことができるものだが、一つだけ例外がある。この欲求は食物や睡眠の欲求同様になかなか根強く、しかも、めったに満たされることがないものなのだ。つまり、八番目の"自己の重要感"がそれで(後略)

(山口博訳 創元社)

そして、数々の例証を挙げたうえで、4ページ後にこう書いている。

 専門家の話によると、現実の世界では自己の重要性を満たせないので、狂気の世界でその満足を得ようとして、実際に精神の異常をきたす人もあるということだ。(前掲と同じ)

 

● 手放せばいい

 

もうお分かりだろう。

私が崖っぷちでとどまれたのは、自己の重要感を満たすことを手放したからだったのだ。

昔は、自己の重要感を満たせなくて発狂する者が多かった。いまは、鬱病になる。

カーネギーはこうも言っている。

 これ(筆者注:自己の重要感が満たされること)こそ人間の心を絶えずゆさぶっている焼けつくような渇きである。他人のこのような心の渇きを正しく満たしてやれる人は極めてまれだが、それができる人にして初めて他人の心を手中におさめることができるのである。(前掲と同じ。太字筆者)

他人の重要感を満たせる人が極めてまれなのであるから、自分の重要感を満たしてくれる人などいたら奇跡なのだ。

誰もおまえを見放しているわけではない。ただ、おまえの重要感を満たしてくれないだけのことなのだ。そして、そんな希有なことを求めてもむなしいだけなのだ。

この考えが湧いてきた瞬間、ほぼ一晩中僕をさいなんできた恐怖も不安感もウソのように雲散霧消したのだった。

そして面白いことに、日が明けてからはいい知らせばかりが目につくようになった。

鬱病になりそうな気分のときには、自己の重要感を手放せばいい。

これでいいのだ!

ただ、このような考え方をしていると他人の重要感にも無頓着になりがちだ。そんなのもどうでも良くなる。

だから、オイラは成功しない。

人の重要感を満たすことは、ビジネスの成功などの秘訣中の秘訣である。

ただ、両刃の剣であることも心得ておかねばならない。

やるならば一生やりきる覚悟が必要となる。

一時的な厚遇を得ようとして、人にちやほやしてはいけない。人は悪意を受けるよりも、ちやほやしていた人が普通の状態になることのほうをよほど恨みに思うからだ。

なお、重要感が満たされることを手放せない人が鬱病になりがちだということは主張しているが、鬱病になる人がみなこのような原因でなると考えるほど間抜けではない。そこは読み間違えないでください。

 

 

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