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もしも洞察力があったなら……。

【メモ】中学受験のススメ。その3~「若い人たちには、希望を持って、進んで行ってもらいたい」

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とりあえずこのミニ連載は今回でおしまい。受験した本人にとっても入試は大きな出来事ではありましたが、終わってしまうと、彼らは次のことに目を向け、親たちはいそいそと入学準備で、過去を振り返っている余裕がなくなってきます。

そんなことを視野に入れてこの【メモ】を書いてみたわけですが、正直、誰かのお役に立てるかどうかについてはまったく自信がありません。ですから、ほとんど独り言、殴り書きメモのつもりで書いてしまいました。しかし、もし、最後まで読んでいただけたのなら、感謝したいと思います。少なからず関心を寄せていただいたことに対して。

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【受験校はよく考えて】

スティーブ・ジョブズ氏は晩年、選択と集中の重要さを説きました。何でもかんでも拡げてしまうと、結局大きな力を生み出すことができない、というセオリーを確立していたからです。同様のことが受験校の選択にも言えると思いました。中学受験では多くの人が5~7校、多い人は10校以上という方もいらっしゃいます。人それぞれではありますが、私の場合「数打ちゃ当たる」戦略はとりませんでした。むしろ、「数打ちゃ落ちる」と考えるに至ったのです。

私たちのように酸いも甘いも知り尽くした大人が臨むのではありません。まだ生まれて12年ほどの子供です。彼らの心はとても柔らかく、そして傷つきやすい。時がたつにつれ、中学受験生とは「心技体」の「心」が弱点であると考えるようになったのです。

つまり、心技体の完成で成果を出すという視点からは、「失敗を重ねて成功する」可能性よりも、「成功を重ねて成功する」可能性の方が高いのではないかと。

Quick Winという言葉があります。小さくて、すばやい勝利です。サッカーや野球で言えば「先制点」というところです。「試合の行方は、そのモーメンタムに大きく左右される。」これは何年も前に、アメリカンフットボールをTV観戦中にある解説者が言ったことですが、まさにその通りだと思っています。

お試し、慣らし、小手調べ、滑り止め・・・言い方はともかく、早いうちにまず一つ合格を勝ち取ることです。その学校は、「最終的にその一校しか合格しなかった場合にも行くだろう学校」を選択しました。その方が本人にとってQuick Winの現実味があるからです。これは1月の初旬に達成しました。

次に、本命校に問題傾向の似ている学校を受けます。この発想はユニークだと思いますが、すべては本命校という頂上に焦点を合わせた道筋なのです。もちろん、この学校も、「最終的にその一校しか合格しなかった場合にも行くだろう学校」に絞ることが重要です。本人が一貫性が保てますし、すべての行動に意味を見出すことが可能だからです。本命の姉妹校などがあれば出題の傾向が似ている可能性があります。塾の先生などと相談して決めるのも有効でしょう。

3つ目で本命校。言わずと知れた東京都・神奈川県の中学入試がスタートする2月1日です。この日までに先述のとおり必要にして最小限の受験をし、本命入試に臨んだのです。その当日は、大人ができることは限られています。一緒に朝起きて、きちんと時間に間に合うように学校正門まで同行し、送り出すだけです。終わったら、「お疲れ様」と声をかけて、学校付近のラーメン屋で腹ごしらえをして、帰途につきます。

第二志望は、本命校の翌日に受験しました。これは日程的にたまたま、としか言えませんが、本命校の合格発表があるその日に、受験をします。この日程は、本命校受験後とあって、少々心理的に落ち着かないこともあるので、可能なら避けた方がいいのかもしれません。(実際はなかなか難しい組み立てでした)

【不合格に備える】
本命校と第二志望校は複数回受験ができる学校でした。つまり、初回で落ちた場合にも再度挑戦ができるのです。試験後も不合格に備えて緊張感を維持させなければなりません。これはかなり大変だな、と覚悟し、日程調整や手続きなどそのための段取りを整えておきました。結果的に受けなくて済んだ(初回で合格した)のは幸運としか言いようがありません。

【傍白:チャレンジ校ってなに?】
第一志望を射止めたら、さらに「チャレンジ校」なるものを受験する方もいるようです。実力よりも少し上の、本命ではない学校を指すようです。でもちょっと待てよ。そのチャレンジ校に行きたいのならそこは第一志望ってことじゃないのかな。第一志望じゃないけど、さらに上位と言われる学校を受験するって、正直よくわからない組み立て方。志望していないわけだから、受かる可能性なんてそもそも高くは見込めない。仮に受かったところで、第一志望を捨てて行くのか?それも変かな。記念受験のこと?中学受験で必要なのか?うーん。ごめんなさい。よくわかりません。ということで、頭の整理がつかず、この件については思考を放棄しました。

【併願校で最も大事にしたことは】
素早い勝利・・・Quick Winを勝ち取ること。
行きたい学校を選ぶ・・・もしその学校しかなかったときに、そこが行きたい学校かどうか。
過去問の類似性・・・本命校の練習になりうるか。
本人の体力・・・5校、7校、場合によっては10校を受験するという方もいらっしゃいます。いくつをどのように受けるかはもちろん自由だと思いますが、本命を一本に絞ったならば、併願校はすべて本命までのステップだと割り切ることが重要です。そしてそれは必要にして最小限が望ましいと考えます。

【第一志望を射止めたら】
見事本命を射止めたなら、共に喜びましょう。支えてくれた周囲の方に感謝しましょう。そしてその喜びを分かち合いましょう。ただし、はしゃぎすぎてはいけません。周囲への配慮は必要です。自分が終わっても、他の人はまだかもしれません。受験日程だけを見るならば、中学受験は最も遅い日程だと2月末まで実施されます。必死になって準備をしている「仲間」への配慮はしなければならないと思います。ここで、私たちはIQと同じか、それ以上に必要なEQの多寡を学びます。

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改めて、ここまで読んでいただけたことを感謝します。私の煩雑なメモ書きは以上です。

ところで、私が方々にご報告をしていたら、やはり数年前にご長女の中学受験を終えた友人から、私たちの親心そのものを表したメッセージを頂きました。ご本人の許可を得ましたので、転載させていただきます。

【私が尊敬する友人からのメール】
おめでとうございます!!
よかったですね、本当に。
合格したのは純粋に家族の力だと思います。
合格したということは、本人の努力はもちろん、家族がモチベーションを保つよう気を配ったということでしょうし、当然勉強も様々なフォローをされたんだと思います。
本当にお疲れさまでした。

正直、子供にこんなせっぱつまった思いをさせなくても、と何度も思った事があります。
合格発表のとき、泣き崩れる親子を何人も見ました。

幸い、娘は希望通りの学校に合格しましたが、
もし落ちていたら、と思うと、今でも怖いです。こんなに若いときに挫折感味わなくても、と。

若い人たちには、希望を持って、進んで行ってもらいたいと思います。

本当に良かった。心から、おめでとうございます。

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