オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

バリでの読書

»

もうすでに、何日過ぎたかわからんのである。備忘ノートで確認したら4日目。一日目、ほぼ機内でずいぶん以前にもらった清水克行『耳鼻削ぎの日本史』(洋泉社 歴史新書 2015年)をようやく、大変興味深く読んだ(清水君、ごめんよ、お勉強の本が多くてなかなか)。日本の近世が「中国隣国型」と「辺境型」のはざまと切り替えの中で世界史的にも独特なのでは、という観点は直感的にはよくわかるし、面白い。でも、この手は検証できないんだよなあ。面白すぎるので、学術的には眉唾に思われる。でも、そこかも、ってどっかで思ってしまうよね。
こっちではひたすら、いつもお勉強読書ばかりで読めない小説を読む。浅田次郎『黒書院の六兵衛』(今ひとつ)、藤沢周平『静かな木』(短編3作の薄い文庫ですが、さすがです!)、今は萩原朔太郎『猫町』(岩波文庫)を読んでるけど、前に呼んでる可能性を否定できない。ゼミで使うかもなので、苦手で読めなかった谷崎潤一郎『夢の浮橋』(中公文庫)の表題作を読んだが、やっぱり生理的に合わず、胸糞悪くなった。で、今は大昔に買ったアイポッドからナイロンズ、シャカズールーに続き、RCサクセションを聴いているという。たしかこのポッドには、志ん生と文楽も入っているはず。

Comment(0)