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夏目房之介の「で?」

吉祥寺 リベストギャラリー「上條淳士個展」

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http://www.libestgallery.jp/kamijyo/live.html

隙間をぬって吉祥寺のギャラリーで上條淳士個展を見てきました。いやあ、驚愕の一言。線、トーン、風景の構図、車や建築のパースペクティブ。すごい。とくに写真の女の子の目の線、美学的な迫力を感じます(これに限らないけど)。拳銃の発射を見開きで描く原画では、銃口の噴出、撃鉄のトーンの繊細さに目がくらむ。いくつかの原画に「トーンつぶれないように」との指示が書き込まれてましたが、そりゃそうでしょうねえ。写真にはありませんが、米軍飛行場の輸送機と、手前の人物の絵は、じつはパースが異なっていて、人間が風景をみるときの動的なパースの変化を、細心の注意をはらって気づかれないように構成されてます。しかし、上條さんの絵がすごすぎて、彼の話の面白さがどうしても語られにくくなってるのは、ちょっと残念です。ちなみに明日まで。

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