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夏目房之介の「で?」

インドネシアの60~70年代前半の貸本マンガ

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ジャカルタの古書店にて購入したインドネシアの60~70年代前半の貸本マンガ本。以前、「アニモンスター」というおたく系情報誌で紹介されていて、コレクターからインドネシア版「座頭市」と紹介された作品(複数の表紙写真の左上 ちなみにこれは2010年頃の復刻版)もあり、かなり有名。でも、仕込み杖かと思ってたのは、棒らしいです。シラットというインドネシアあたりに普及する武術の達人が出てきて、どくろみたいな顔の悪者(多分)に掌底打ちをやってます。女性戦士のツメが異常に伸びたりもします。また、アンデルセン童話のマンガでは、懐かしい日本少女マンガ風や、BD風(?)もありました。もちろんアメコミヒーローの影響もあり、購入しませんでしたが「ターザン」の翻訳シリーズも店にありました。写真のスパイダーマンは、73年のインドネシア作家による翻案もの。興味深いのは、インドネシア貸本の基本である上下2コマ割りの中で、アメコミ的なコマ割りを試みようとしているところ。上下2段割りは、ひょっとっしたら連環画が原型ではないかと感じます。

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