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夏目房之介の「で?」

中国旅行6

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香港台湾には何度もいってますが、大陸は80年代初頭の香港~広州~桂林、2000年代初頭の上海、長春についで3回目。今回、すごく感じたのは、日本の中国についてのマスコミ情報が、相当偏っているとしか思えないってことです。「中国はひどいとこだ」「こんな遅れたとこや、あんな無茶苦茶なとこがある」的なものがやたらとある。たしかに、そういうところがないとはいえないし、僕のみてきたのは発展した地域で、会ったのは中間層以上の人ばかり。でも、日本のマスコミはあきらかに実態を伝えようとはしてない。おそらく多くの日本人は、テレビなどでかなりかたよったイメージを抱いていると思います。よくないことだと感じますね。なんで、あんなにネガティブな情報ばかり流すんだろうと考えると、実際すでに日本は多くの領域で追いつかれ、場合によって追い抜かれてるかもしれないという、ほとんど無意識の恐怖や不安じゃないかと思えます。それで笑いの対象にして安心したいんじゃないでしょうか。政治的、国際外交的ところはともかく、大衆文化や生活の面では、かなり僕らに近いです。違うとこも多いのは当たり前ですが。もう少し偏見を持たずにお互いわかろうとしたほうがいい、とつくづく思いました。

しかし、北京の空気の悪さは想像以上でした。空気が澄んで見通せる印象はほぼなかった。正直、また行きたいとは、あまり思えないくらい空気は悪いです。上海は梅雨入りして雨が降ってたせいもあり、気温も低めでほっとしたし、空気も北京だいぶいい。ただ、三か所とも日本とは比べ物にならないほど、バカ高い高層ビルがぎっしり立ち並び、車も尋常でないほど多いので、おそらく現在の「暑さ」は排ガスなどの影響もあり、空気の流れもよくないせいもあるかもしれない。ちょっと東京の比ではない感じでした。国が大きいだけに、なかなかこの環境悪化を押し戻すのは難しいでしょうね。厦門はいいとこですが、海辺なのに異常なほどのいやな暑さでした。

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