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夏目房之介の「で?」

マツコの「夜の巷を徘徊する」など

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http://www.tv-asahi.co.jp/haikai/

マツコの「夜の巷を徘徊する」は、「アメトーク」のあとなので、ついでに観てしまうことが多かった。おもに夜中の飲み屋、食い物屋をめぐり、きゃーきゃーいわれたりしながら、マツコが興味をもったりもたなかったりする瞬間のやりとりを楽しむような、ゆるい番組だ。酒もあってマツコの登場に喜ぶ客たちと、それに対し困った感じで対応したり、あしらったりするマツコの様子は、それはそれで楽しい。「もやさま」みたいな、ゆるい徘徊を芸にしているというより、芸ではなくゲイのわがままっぷりが面白かったりする。

でも、先週今週はマツコ自身がぜひ観たいといって千葉の製鉄所を徘徊する回で、まるでテイストが違った。とにかく圧倒的な焼けた鉄の釜からばしばし出てくる場面とか、真っ赤に焼けた鉄を延ばしていく様とか、マツコがひたすら「すっごおーい!」しかいわないところが、かえって迫力を感じて面白かった。何やら感極まった感じで「みんな、これ観なきゃ駄目だ」とか「ちょっと人生観変わるわ」とか、よほどの印象を受けてるのがわかる。たしかに実際にテレビに映る製鉄所内部自体には、そこまでの印象はないのだが、マツコという人物が生きてきたナニモノかに衝撃を与えている様そのものに興味が湧いてしまう番組だった。

「だって、あれ観て帰ったら絶対奥さんとセックスするでしょ!」という言葉に、マツコが何を見て取ったかが垣間見えるが、製鉄所のあとで寮の食堂でぺろりとたぬきそば、たぬきうどんを平らげたりするのも面白い。やっぱり、本人が長年絶対行きたかったといってるだけのナニかがあったと思う。こういうのをまたやれれば、面白いだろうけど、そうそうないかもしれないな。

そういえば、マツコロイドの活躍する「マツコとマツコ」も面白い。前回の「ナイツ」協力によるマツコロイドの漫才もなかなかだった。塙が真剣に悩んでたりするところも、実際やってみると受けたりするのも、よかった。ああいう実験は、専門家のコメントもあってなかなかエキサイティングで面白い。マツコという存在は制作者側がいろいろやってみたくなる対象なんだろうか。

ちなみに「アメトーク」は最近少しダレてきていて、油断していたら、今日は又吉たちの読書芸人の書店巡りだった。しまった録画しておかなかったので半分しか観られなかった。練習後食事して帰ると、なかなか間に合わないんだよなあ。

http://www.tv-asahi.co.jp/ametalk/

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