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夏目房之介の「で?」

2015年3月、バリに行ってきました。

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例年のことながら、バリに行ってまいりました。

が、デジカメのデータがなぜかPCで読み込めず、おまけにタブレットの写真データを移動する方法もよくわからず、ほぼ映像が使えないままご報告です。

ただ、途中までは現地で映像を移せたので、いくつかはご紹介できます。

Nando 前景.jpg

←今回いちばん長く泊まって、ニュピをすごしたNando Houseの部屋前。

Nandoより夕焼け.JPG次はNandoから見た夕焼け。
ニュピ前日のオゴオゴのためのハリボテ製作中。
室内のデスク。

15.3Ubud オゴオゴ準備.jpg

Nando デスク.jpg

今回は、ウブド在住のNさんのおかげで、いろんな経験をさせていただき、また多くの人と出会う旅となりました。

まずは、着いて早々デンパサールの中国武術サークルに参加させてもらいました。太極拳、八卦掌など、様々な中国武術を練習されるそうで、太極拳の準備動作をみんなでやりましたが、意外なほどにしんどかったです。そのあと、馬貴派を教えろといわれて、少し見せてやってもらい、さらに推手練習を少しやらせてもらいました。その他に、古くからウブドに住まわれてバリ舞踊をやられてきたYさんのストレッチ・エクササイズや、ウブド在住の日本人の方達の太極拳サークルにも参加させていただきました。

また、昔ウブドでずいぶんお世話になったジャワ人のアグース氏が今年はじめに突然亡くなったのを知り、奥様のところにご挨拶にいきました。旅の終わり頃、アグース氏と一緒に遊んでいた頃よく一緒だった現地ドライバー氏と、ものすごく久しぶりに偶然水田の中の道でばったり会いました。今は農民になってました。もう30年くらいバリに行っているので、こんなこともあります。

バリ舞踊をやられてきたYさんも、その頃からバリにいらっしゃったので、お話をしたらものすごくあって、昔話に花咲きまくりでした。Yさんには、Nさんとともに、ウブドから40分ほど車で山中に入ったSebatuという聖なる水場につれてっていただき、バリの正装をして滝に打たれ、お祈りをしてきました。これは素晴らしい体験で、滝行もよかったのだけれど、何もわからずに神前で祈っていると、驚くほど簡単に心が空っぽになってしまい、驚きました。バリの長い僕でも、こんなことはそうはない。次回もぜひ行きたい。

また、Nさんに紹介してもらったドライバー氏の案内で、今回はシドメンに行きました。まるで昔のウブドのような、静かで、何もない、しかし絶景だけがそこらじゅうにある環境。二日間でしたが、これもぜひ次回も行きたい。もっとも、ほんとに何もないので、バイクに載れない僕は、まあ3~4日いるのが限度でしょうが。

なぜ、二日しか行けなかったかというと、今回は途中にオゴオゴとニュピがあり、バリの人達みんな忙しく、そわそわしていたんですね。ニュピはこれで二回目ですが、この日は可能な限り働かず、何もせず、できうる限りモーターなども止まる日です。今年は、空港も止まるんだとバリの人がいってましたが、ほんとなんでしょうか。バリというところの面白さは、観光で異文化と資本主義がどんどん入ってきているにもかかわらず、あまりにも変化しすぎると伝統文化や宗教がかえって蘇り、ルールを強めたりすることもあるってところなので、ありうるかもしれない。

また、バリに住む古い友人のNR氏の誘いで、伊藤俊治氏プロデュースのウブドでのイベントのオープニングにも参加。映像人類学・村尾静二氏による「光と影に生きる ワヤン・クリッとダランの世界」という50分のドキュメンタリーを観ましたが、非常に興味深いものでした。村尾さんは、インドネシアの武術であるシラットのフィールドワーク研究もされていたそうで、もう少しお話を伺いたかったです。

そんなわけで、今回はずいぶんあちこちに回り、いろんな人と出会いましたが、そのわりには自分で「バリ化」とよんでいるボケが早めに始まり、かなりボーっとできました。おかげさまで、今とにかく何もしたくないです(笑

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