オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

川崎市市民ミュージアムでの下川凹天トーク

»

昨日から「下川凹天 日本近代漫画の系譜」展が始まりました。10月9日までです。

本日10日、佐々木果さん、野田謙介さんと僕でトークショーが行われました。台風の中、25人もの人が集まってくださり、小野耕世さんまでいらしてくださった。いつも数人だという川崎Mのミニホールとしては破格の集客だそうです。もっとも、ほとんど知り合いでしたが。
下川凹天という、なかなか掴みがたい漫画家の魅力を少しなりとも伝えられたらうれしいです。川崎側の担当が途中からうちの卒業生になり、なかなかの活躍をしてくれたようで、これもうれしいかぎりです。トークショーのほうは、僕はこのプロジェクトの現場ではあまり役に立っておらず、ちょっとしたコメントしかできませんでしたが、展示は面白いと思います。まとめて見ていくと、やっぱりこの人は僕の母がたの祖父・三田平凡寺や宮武外骨と同時代の人なんだ、と感じます。漫画家仲間からは「グロ」ともいわれる女性への視線が大変興味深いです。日本の漫画概念が揺れ続けた時代を生き、それを反映している作家といえるかもしれません。

トーク後に、ほとんどの人が移動してスタッフとともに懇親会。これも楽しかったです。マンガ言説史的な話から70年前後のしょうもない昔話まで、奥のほうの喫煙グループで盛り上がってしまい、スタッフの方々などを慰労もできませんでしたが、ご苦労様でした。そして、今後もよろしく。

Comment(0)