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夏目房之介の「で?」

バスティアン・ヴィヴェス『ポリーナ』

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http://books.shopro.co.jp/?contents=9784796871952

「フランス漫画界の新星」(帯)バスティアン・ヴィヴェスの『塩素の味』に続く小プロよりの翻訳作品(原正人訳)。これ、いいですね。好みでしょうが僕は『塩素』より、こちらのほうを買います。BD版のバレエ漫画です。なるほど、こうなるかあ。日本には戦後伝統的にバレエ漫画がありますが、また違ったテイスト。何よりも線描の質が、ふつう目にするBDとも異なり、達者なクロッキーをペンと筆で再現したような一色印刷のシャープさで、線への信頼と繊細な力強さを感じます。最後の部分、なかなか切ない感じがたまりません。

2月10日刊で、だいぶ前にお送りいただいた本ですが、このところ海外漫画を大量に積ん読しており、今更ですが読ませていただきました。

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