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夏目房之介の「で?」

『このマンガを読め! 2009』(フリースタイル)が出た

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http://d.hatena.ne.jp/tamotsu_yoshida/20081128
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4939138437/mangalove0b-22/ref=nosim/

今年からベスト10の作品が一話づつ掲載されてサンプル的に読めるようになったのは、なかなか画期的でいい企画じゃないだろうか。これ、交渉とか大変だったのかな。どうだろう。でも、多くの人が何を読んでいいかわからない今の状況だと、こういう形でちょっと読めるのは効果的だと思うけどな。

まだパラッと見ただけで、しかも今手元にないのだが、巻末の座談会はけっこう面白い。フリーペーパーのマンガ雑誌「ガンボ」の失敗について(あれは発想は良かったけど残念だったな)、雷句問題についてなど、今年ってけっこう話題のあった年なのだね。

作品については、今年は「コレはどうしたって来るだろ」っていう強力なのがなくて、かなりバラついている。選者が多いので、ガイドブックとして読む人は、自分の好みと合った人のベスト5を参考にしてみるといいんじゃないかな。

担当編集者からお礼メールがきて、交渉は意外とスムーズだったと書いてあった。
前回は「お試し読み」で一部を使ったのだが、そのときのほうが難しかったらしい。今回は、少ないながらギャラを払ったのだそうで、そこがポイントかもしれない。担当者も手ごたえを感じているようで、これからも再録を続けるそうだ。

僕のブログを読んでいる友人が「このマンガを読め!」を買うといっていたので、それなりに広告効果はあったかも(笑 ちなみに、その人の今年のベストは『聖お兄さん』。

もともとマンガはそれなりに好きで読んでいたが、ここんとこ買わなくなって、ふと気づいたら何を読んだらいいかわからず、何をガイドにしていいかもわからない人が、僕の周りの40代以上にはけっこう多い。相手が僕だから、そういう話をするのかもしれないが、やっぱりそういう人に情報を届け、気持ちを掘り起こすのは有効だと思うな。

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