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aibo と暮らす10年間の総コスト 86万円は高いか?安いか?

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ソニーから、犬型ペットロボットである aibo が発売された。 犬にちなんで 1月11日11時1分に発売開始したそうだ。ワンワンワン、ワンワンワンということらしい。

aibo.jpg

この aibo 、aiboストアによると、販売価格は・・・・

本体価格 198,000円也! 高い、買えない・・・

「aiboを楽しむために必要なものが一式揃っています」とのことで、

本体、チャージスタンド・チャージマット、ACアダプター・電源コード、ピンクボール

メーカー保証 30日

がついているとのこと。 え? メーカー保証30日? 短い。

19万8千円もするのにメーカー保証が30日っていうのは、なんだか凄く損した気分になる気がする。

更に、この値段だけでは済まず、aiboベーシックプランという "必須の月額コスト" が必要とのこと。

この月額 2,980円 は、「aiboが成長するために必要なサービス」だそうで、これを払わないと aibo 本来の機能が動作しないようだ。

また、メーカー保証30日の不安に対応するサービスが、「aiboケアサポート」でこちらは任意契約となっているが、新規購入時に契約せず購入後に契約する場合には、「健康診断とソニーが指定する修理を事前に受け」る必要があるとのことで、これは別途料金だそうだ。 

そしてこの「aiboケアサポート」は1年契約の場合で 年間20,000円となったいる。しかし、自然故障などの修理が無料で受けられるわけではなく、「半額」になるそうだ。 主な修理の目安は、

バッテリーの交換、ファームウェアアップデート等 2万円以下
その他外装の交換、部品交換を伴わない修理 2万円前後
駆動部(足交換など)、基板の交換等 2万5千円~10万円

とのこと。

これらの全ての金額を足すとどうなるだろうか? 10年間の総コストを計算してみると・・・

本体198,000円
+ (ベーシックプラン 2,980円 x 12ヶ月 x 10年)
+ (ケアサポート 20,000円 x 10年)
+ (年に1回メンテナンス 想定20,000円 x 半額50% x 10年)

となり、10年間の総額は 857,600円 となった。

もはや衝動買いできる金額ではない。 どうしてこのような価格設定になったのだろうかと気になり、本当の犬(生身の犬)を飼うコストと比較してみた。

犬.jpg

aibo を同じ(?)小型犬の値段を調べてみると

トイプードル・・・・・・・・・・15万円位~40万円位(20万円前後の子が多い)
チワワ・・・・・・・・・・・・・13万円位~30万円位(10円万円代後半の子が多い)
ポメラニアン・・・・・・・・・・15万円位~40万円位(20万円代の子が多い)
ミニチュア・ダックスフント・・・10万円位~20万円位(14万円前後の子が多い)
パグ・・・・・・・・・・・・・・20万円位~40万円位(30万円代の子が多い)

と犬種によって様々ではあるが、だいたい20万円といったところだろうか。

これに毎月の費用として
えさ代         5,000円
シャンプー・トリミング 1,500円
トイレなどケアグッズ  2,000円
で月額合計 10,000円。

実家で飼っていたマルチーズやヨーキーの経験では、2年に1度程度、病院にかかるようなことがあり、費用は1回に付き 50,000円程度だった気がする。

これらから「本当の犬」の10年間飼う総コストを計算すると・・・

購入価格 200,000円
+ (えさ代など毎月のコスト 10,000円 x 12ヶ月 x 10年)
+ (2年に1度の病院代 50,000円 x 10年で5回)

となり、10年間の総額は 1,650,000円 となった。

私の母のような愛犬家のみなさんから、犬型ロボットと愛しいペットを単純コストで比較するな!と怒られそうではあるが、10年間の所有総コスト(TCO : Total Cost of Owenership)は、

本当の犬   165万円
aibo     86万円

という結果となり、高い!と思っていた aibo ではあるが、本当の犬と比較するとおおよそ半額という結果となった。 さてさて、貴方ならどちらを買いますか?

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