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ゴーンは日産の前に八方塞がりのルノーを立て直していた

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ゴーン氏が副社長に就任した1996年のルノーは3つの障害を抱えていたという。

  1. クロスファンクショナリティの欠如
  2. リスクにあまりに臆病で無難な目標しか設定しない
  3. 社員の多くが悲観主義、懐疑主義的

また、この年にルノーは10億ドルの赤字に転落し八方塞がりになっていたという。

ゴーン曰く、『マイクロ・マネジメントを徹底したところでこの状況から脱することはできない。道から外れた会社を再び軌道に戻すにはジャンプスタートしかなかった。そして、そのあとも正常に走り続けるには抜本的なオーバーホールが必要だった。』

そして、ゴーンは3年間で24億ドルのコスト削減計画をぶちあげる。ありえない数字のコスト削減であり、懐疑的な意見が支配的である中、それでもこのコスト削減を推進していった。次第に成果が出始めると支持者が増え、そしてクロスファンクション的に横断的なコスト削減策の検討と実行の結果として24億ドルのコスト削減が達成されたという。

果敢な目標とブレない実行力、これがゴーンの改革の秘策と言えそうだ。 委員会的な意思決定プロセスではなく、ひとりのリーダーが目標を設定し強力にそれを実行していく。 

日本企業は、自らの手でこのような環境にしていかなければならないと強く感じる。

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