オルタナティブ・ブログ > 成迫剛志の『ICT幸福論』 >

”情報通信テクノロジは人々を幸せにする”を信条に、IT業界やアジア・中国を見つめていきます。

"攻めのIT" ができる情報システム部門になるために(その3)

»
「うちの情シス、ダメで・・・・」 という話を最近何度か聞いて、情シスとITビジネスサイドを行ったり来たりしてきた自分の経験、それとこの一昨年後半から、各種のCIOクラスの集まりや個別にお話させていただいてきたことから思う "攻めのIT" への処方箋を考えてみている。 予め構成を考えているわけではないので、全体のまとまりや一貫性に欠ける点はご容赦いただきたい。

その1では、"攻めのIT" の背景と検討要素として情報システム部門の位置づけについて考えてみた。
その2では、情報システム部門業務の内製とアウトソースについて整理した。

今回は、情報システム部門の人材について考えてみる。

3)情報システム部門の人材
ユーザー企業の情報システム部門の人材については、数多くの企業へのヒアリングの結果、企業によって情シスに所属している人材の構成が少なからず異なることがわかった。 情シスに所属している人材を以下に分類してみる。
  1. 総合職として新卒採用し、新卒から情報システム部門に配属
  2. 情報システム部門要員としての新卒採用
  3. 情報システム部門要員としての中途採用
  4. 業務部門、営業部門に在席し、成果を上げている人材を、プロジェクト担当として一時的に情報システム部門に異動。 または、人事ローテーションの一環として一時的に情報システム部門に配属
  5. 業務部門、営業部門出身であるが、何らかの理由で情報システム部門に異動

1. 総合職として新卒採用し、新卒から情報システム部門に配属
 日本の多くの会社の情報システム部員は、大学卒業時の新卒採用時に配属先を会社に任せた状態での "総合職" として入社し、最初の配属先が情報システム部門となりそのまま情報システム部門一筋という人が多いのでないだろうか? 新卒配属時に情報システム部を希望するケースは稀であり、多くの新入社員はその企業のコア事業をやりたくて入社してきたはずである。 例えばアパレルであれば、洋服屋になりたくて入社しているのであるが、入社してみたら、それまで良く知らなかった情報システム部門に配属された、というケースである。

2. 情報システム部門要員としての新卒採用
 一方で、新卒採用時から、情報システム部要員と明示して採用活動を行い、採用している企業がある。 詳細は不明であるが、いわゆる研究開発職と同じ扱いと思われる。 お話を伺った中で最も進んでいたのは、鹿島建設株式会社であった。 情報システム部門の新卒採用のための会社案内を作成しており、事業の内容とIT部門の役割、IT部門の貢献について22ページにわたって紹介されている。
IMG_5844.JPG

3. 情報システム部門要員としての中途採用
 最近、増えているのが情報システム部門が中途採用を行うケースである。 特に技術系の中堅社員が少ないなどの理由で、IT企業からの転職者を採用しているケースを耳にした。 また、経営トップの判断で、CIOや情報システム部門の責任者としてIT企業の幹部クラスの人材を採用するケースも増えているようだ。 情報システム部要員としての採用での悩みとしては、"その企業の業界の給与水準" が "IT業界の給与水準" よりも低いため、IT業界からの採用ができない、といったCIOや人事担当者の悩みも少なからず耳にした。 情報システム部員を専門職として位置付けていない終身雇用制の弊害と言えるかもしれない。

4. 業務部門、営業部門に在席し、成果を上げている人材を、プロジェクト担当として一時的に情報システム部門に異動。 または、人事ローテーションの一環として一時的に情報システム部門に配属
 自社の事業、業務や自社の顧客のニーズを知り尽くした人材を、ある特定のプロジェクトなどのため、または経営人財育成のために一定期間情報システム部門に所属させるケースである。 特に大規模プロジェクトの際に業務部門のエース級を情報システム部門に配属することは、情報システム部全体に大きな変革をもたらす機会になるように思う。

5. 業務部門、営業部門出身であるが、何らかの理由で情報システム部門に異動
 入社以来、情報システム部門とは無縁な業務を行ってきた社員が、個人的な理由などで情報システム部門に異動になるケース。 上記4の恒久的なパターンであれば良いのだが、そうでないケースもあるようである。

現在の自社の情報システム部門の若手、中堅、リーダー、責任者について、上記分類で整理、分析してみると、所属部員のキャリアパスとモチベーション、そしてそれらの人々によって構成されている情報システム部門全体の方向性や "チカラ" が見えてくるかもしれない。

2016/3/31追記: 
 "攻めのIT" ができる情報システム部門になるために その4

Comment(0)