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”情報通信テクノロジは人々を幸せにする”を信条に、IT業界やアジア・中国を見つめていきます。

IBMで学んだこと:良い人財を輩出している会社は良い会社

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IBMの社員のことを IBMer と呼び、元IBM社員は ex-IBMer などと呼ばれたりします。そういう僕も ex-IBMer。 その ex-IBMer の話です。

以前から IT業界、特にITインフラ関連やコンサルティング関連の企業で ex-IBMer が数多く活躍されているのですが、この1年間くらいで (ぼくのまわりだけかもしれませんが) 更に ex-IBMer で大企業や外資系企業の重要なポジションに就いた方々や独立して素晴らしい活動をされている方々とお会いし、一緒に仕事をさせていただき、あれこれお話させていただく機会が増えていました。

そんな彼らとの会話の中での共通して皆が言っているのは以下でした。

  • IBMは本当に良い会社だ。(だった)
  • 自分はIBMに育ててもらった。
  • IBMでは、素晴らしい良い先輩に恵まれた。
  • 自分は一生、IBMで働くものと思っていた。

そして、

  • でも、こう言っている人々のほとんどは、今は別の会社で働いていたりする。

そんなことを何気なくFacebookでつぶやいたところ、150人近くの人から 「いいね!」 をいただき、また IBM 以外でも同じですよ、と教えていただきました。 コメントで上げられていた企業は、NTT、アンダーセン(アクセンチュア)、総合商社。そして毛色はちょっと(かなり)違うのですがリクルートとCISCO。

これらの企業名を眺めてみて気づいたこと、それは 「良い人財を数多く輩出している会社」ではないか、ということです。感覚値でしかありませんが、そういえば元NTTの方々、元アクセンチュアの方々、元商社マン、元リクルート、元CISCO。 こんな人々が少なくともIT業界で数多く活躍されていると思います。 そもそも人数が多いといえばそれまでかもしれませんし、他の日本企業に比べて終身その企業や企業グループ内で働く人が多くはないということかもしれませんけれど、それでも周りを見回すと結構います、それらの人々が。

では、どうして「良い人財を数多く輩出している会社」なのでしょう? 僕自身の IBM 新入社員時代を思い出すと、以下のような感じだったかなと思います。

  • 社員ひとりひとりを大切している。 「企業は人なり」 という文化が浸透している。(していた)
  • 人財を育てるための仕組みがある。 単なる目先の技術の研修だけでなく、ビジネスマンとして立ち振る舞い、顧客ニーズを理解し提案するための方法論、交渉力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、業界動向、技術動向、もっと基礎的なIT全体のファンダメンタルなど、幅広い研修を受けさせてもらえる環境がある。(あった)
  • 社内の雰囲気が良い。表面上のつきあいと言うよりも、信頼関係のある職場で、仕事上では時には激論となるような活発な議論ができる文化がある。(あった)
  • 働いている皆が IBMが大好き である。(だった)

単なる想像でしかないが、おそらくNTTやアクセンチュア、リクルートなども同じような感じなのではないだろうか?  我々もそういう会社を目指したいし、社外からもそう思われる会社にしたいものです。 また、就活生への個人的なアドバイスとしては、漠然とした、または明確な将来の目標や夢があったとしても、まずは自分の成長のため、そして良き人脈をつくるためにも、まずは遠回りに見えても上記のような指標で入社する会社を選ぶことが、終身雇用制が終わりつつある現在の日本においては良いのではないかとも思います。

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