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フランチャイズ型全国クラウドフェデレーション構想

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昨日2016年2月4日、東京都江東区の(株)日経統合システムで行われた「第7回全国データセンタービジネス協議会」にて講演をさせていただく機会をいただきました。同協議会は全国各地のデータセンター事業者の方々た集まる組織と伺っていましたので、以前からあたためていた 「フランチャイズ型で構築する全国クラウドフェデレーション構想」 についてお話させていただきました。

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全国各地での想定ニーズ
1)ローカルなクラウドのニーズ
 データは "よそ" に置きたくない。国内、県内、市内に保存したい。
2)ハイブリッドクラウド
 地元データセンターと直接接続したクラウド。低レイテンシ―が求められる。
3)姉妹都市どうしの相互ディザスターリカバリー/事業継続計画
 互助的スキーム。双方向(データ、システム、経済的)
4)クラウド関連技術者の育成
 クラウドエンジニア、デファクトスタンダード
5)雇用創出
 クラウド人材ニーズ、Uターン、Iターン
6)エコシステム
 データセンターとクラウドによる地元エコシステム。インターコネクト。
7)IoT (Internet of Things)
 膨大なデータの地産地消。 連携(明細、サマリー、サブセット)
8)セキュリティ
 リスク分散。 安全度は "シンプル>複雑"。

各地(特に地方)のデータセンター事業者の悩み(想定)
1)クラウドシフト
 ニーズがコロケーションからクラウドにシフトしていることへの対応
2)クラウド技術者の確保と育成
 幅広い技術・知識が必要。フルスタックエンジニア。
3)コスト
 莫大な先行投資は避けたい、できない。 スモールスタート。
4)ブランド/市場認知度
 地元へのサービス提供だけでなく、全国対応をしたい。
5)営業力
6)マーケティング/広告宣伝
 リードジェネレーション、市場創出

これらに対応するため、フランチャイズ型スキームにより全国各地にクラウドを配置する。 各クラウドが相互に密連携し、ユーザーの相互乗り入れも可能とする。

フランチャイズ本部が提供するもの

 ✓ 標準技術/共通仕様のクラウド(ハードとソフト)をパッケージ化

 ✓ 本部センターからの遠隔運用、沿革維持保守(必要に応じて)

 ✓ ファイナンシング(設備のレンタル制度等)

 ✓ 共同ブランディング、マーケティング

 ✓ ユーザーの相互乗り入れ環境(認証、決済等)

 ✓ 技術研修、スキルトランスファー

パッケージ化したクラウドとは、現時点ではOpenStackをベースとしたハイパーコンバージドシステムを想定していますが、堅牢性、安定性、保守性を考えるとNUTANIXのような製品も候補とすべきとも思っています。

このような非常に粗い 「構想」 であるにもかかわらず、少なからず興味を持っていただいた方がいらっしゃったので、何らかの形で継続検討していきたいと考えています。

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