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高さ僅か88mmのサーバー1台でプライベートクラウド構築できるハイパーコンバージドの最近の情報を聞いてきた

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自社専用のプライベートクラウドを最も簡単かつ省スペースで構築する手段は、ハーパーコンバージドインフラストラクチャと呼ばれる機器を使うことだ。小さいものならば、高さがわずか88mmの2Uサイズの筐体内部に4つの独立したノード(サーバー)を搭載。 この1つの筐体に専用のソフトウェアを搭載していて、プライベートクラウドに必要な仮想化基盤、冗長化されかつ分散化された高速ストレージ機能、ハードウェア故障など障害時の自動フェイルオーバー機能、そして開発者が直接仮想サーバーの構築・変更・管理を容易に行うためのコントロールパネル機能を、たった1台、高さ88mmのサーバーだけで構築・提供できるというものである。
その中でも、僕のところでも取り扱っていて、DELLやレノボにも搭載されて話題となっている米国スタートアップ企業でハイパーコンバージドの老舗である NUTANIX が、最近かなり売れ始めていると聞きつけたので、年末に最近の動向をインタビューしてきた。 以下そのメモ。

  • NUTANIXが売れ始めている。
  • しかも、VDI用途ではなく、エンタープライズの仮想化用途で売れ始めている。
  • 直近の割合は、VDIが30%、サーバー仮想化が60%であり、プライベートクラウド用途が主流となりつつある。
  • NUTANIXが選ばれている理由は以下である。
  • ハイパーコンバージドとして1台に集約できる。
  • ハードウェア、BIOS、ハイパーバイザーまでを、NUTANIXのUIで一元的に管理できる。
  • BIOS、ハイパーバイザーのアップグレードが無停止かつボタン一つで可能。
    • アップグレードはユーザーやサーバー管理者の負担が大きい作業であるが、メーカー側で検証済みの組み合わせのためユーザーがあらためてテストする必要はない。
    • もちろん、無停止でアップグレード可能。しかも、無停止のためのローリングアップグレード処理も全自動で行われる。
  • SDS(Software Defined Storage)部分の信頼性が高い。HDD障害時のRAIDリビルド最中などの単一障害点と成り得る状況が生じない。また、従来ボトルネックとなっていた大量のWrite時のパフォーマンスダウンへの対応はSSD容量の増加によって解消されている。
  • Oracleのライセンス対応(ソケット単位ライセンス)として、1ノード1ソケット、合計4ノード4ソケットのモデルも有り。1台でOracle RACを組む際に有効。
  • ハイパーバイザーの自由度が高い。 VMware, Hyper-Vなど。 また、NUTANIX製のAcropolisが無償バンドルされている。
  • NUTANIXオリジナルに加えて、DELL。そしてLenovoからも販売されている。
  • OpenStack 対応も近々予定。 OpenStack のAPIに対応し、OpenStack Horizon から Nutanixをシームレスに操作できるようにする。
  • VMwareや他のクラウドから Nutanix への移行ツールを提供。 (逆の移行ツールも将来提供予定)
  • 以前と比較するとエントリーモデルの価格が相当下がった。

ハイパーコンバージドインフラもかなり成熟してきていることもあり、新規のプライベートクラウド構築だけでなく、既存の仮想化サーバーの集約/リプレースを検討する際にも、ハイパーコンバージドは有力な選択肢となりそうだ。

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