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チャレンジへの対価 ~第10回NetSquared Tokyo Meetupに参加しました~

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先週の火曜(5月24日)に開催された、第10回 NetSquared Tokyo Meetup。今回は、ネット上で気軽に寄付・ファンドレイジングができる「JustGiving」についての講演がメインでした。お話は、ジャスト・ギビング・ジャパン事務局長の梶川拓也さんから。
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<JustGivingとは>
JustGivingは、UK発祥のサービスで、日本で展開を始めたのは2010年3月のこと。今回の震災を契機に一気にサービスの利用も伸び、2011年3月11日以降は国内において約6.5億円の寄付金を仲介し、「Yahoo!ボランティア」に次ぐ寄付のプラットフォームとなったそうです。

JustGivingがつなぐのは、(A)チャレンジをする人、(B)そのチャレンジに対して寄付する人(=サポーター)、(C)寄付を受ける非営利団体の三者です。

実例で説明します。
(A) 元プロ野球選手の古田敦也さんが、「ホノルル・トライアスロン」にチャレンジし、完走することをJustGiving上で宣言

(B) 古田さんのチャレンジに対して、共感した人々(=サポーター)が寄付

(C) チャレンジに対して寄付されたお金は、古田さんが寄付先として選んだ、JustGiving承認の団体に届く

という流れです(公式ページの図解はこちら)。

<日本人に楽しい寄付の習慣を根付かせる!>
梶川さんのプレゼンの中で、印象的だったのは、「日本に楽しい寄付の習慣を根付かせたい」という言葉でした。確かに、日本では寄付と「楽しい」という言葉があまり結びつきませんよね。さらに、日本では、寄付を受ける側も「寄付して欲しい」と訴えることが苦手で、「もっと嫌がられるくらいアプローチしても良いのでは(笑)」とおっしゃっていました。そう考えると、このサービスを使えば、「寄付してください」ではなく、「こんなチャレンジをしているので、応援してください」と言えるので、シャイな日本人には向いているのかも知れません。

また、英米では、募金をするというカルチャーが既に子供の頃から根付いているとのこと。ただし、日本人が冷たいという訳ではなく、今回の震災においても「寄付したい」という気持ちを持っている日本人が多くいたが、寄付のインフラが充実していないというのが実情。私も「寄付をしたいけれど、どこに寄付したら良いのか分からない」という意見を多く聞きました。梶川さんによると、日本においては、寄付先としては、大手3団体(赤い羽根の「中央共同募金会」、「日本赤十字社」、「日本ユニセフ協会」)が多くを占めているようです。しかし、例えばアメリカでは、アメリカ人は「大手が嫌い」な傾向があり、「自分が見つけたお気に入りのファンドという感覚」で小さな団体に寄付することが多いとのこと。これは、ニッチ好きな私としても同感で、そんなふうに小さな団体でかつ自分が共感できるような団体が増えれば、少額でも寄付活動を楽しく続けられそうです。

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「日本には寄付文化がないのではなく、ないのは寄付のインフラだ」(ちょっと見えにくいですが当日のパワーポイントです)


そして何よりも印象的だったのは、事務局長の梶川さんが、冷静でいながらも、とっても熱い!気持ちをもってこのプロジェクトを推進していらっしゃること。自分が運営に関わっている団体でも、是非ともこの仕組みを利用してみたいと思いました。


<公式ウェブサイト情報>
JustGiving Japan
http://justgiving.jp/

NetSquared Tokyo 公式サイト
http://www.netsquared.jp/

今回のmeet upに関するレポート(NetSqured Tokyo 公式サイト内)
http://www.netsquared.jp/20110524_net2tokyo_report/

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