私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

エージェント(人材紹介会社)との上手な付き合い方とは?

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採用手法の多様化が進んでいる中においても、中途採用を行っている中堅中小企業の多くは、まだまだ採用広告媒体やエージェントを採用手法の中心においていると思います。

そうした企業の社長から「エージェントを使っているが採用に結び付かない」という声を最近多く聞くようになりました。
その大きな要因は当たり前の話ですが、中途採用市場が活況であるということです。
またその環境は更に厳しくなっていくことが予想されます。

ただ、エージェントを利用している企業の状況を詳細に分析してみると中途採用市場の活況が採用に結び付かない理由の全てではなく、エージェントを上手く活用できていないことも要因である気がします。

中途採用を成功させるためにエージェントをどう活用するべきか。
今回はエージェントとの上手な付き合い方を考えてみたいと思います。

●エージェントのビジネス構造を理解する

エージェントとは転職を検討している求職者に中途採用を行っている企業を紹介して、その成約によって手数料を取るビジネスを行っている会社です。
手数料は採用となった人の年収の30〜40%前後が相場ですので、エージェントから採用すれば、それなりの金額を支払うことになります。
ですので、エージェントからすれば名前の知れている大企業で年収の高い求人があれば、まずそちらを優先する傾向があります。
成約すれば手数料も高くなりますし、成約実績に名の知れている大企業の名前があることで信頼が高まり、企業からの依頼が増えるからです。
「所詮、大企業優先か」と憤る人もいると思いますが、この流れはエージェントの立場に立てば当たり前のことだと思います。
つまり、中堅中小企業には良い人材は紹介者として、なかなか回ってきにくいと考えるべきです。

またある中小企業の社長は「エージェントの手数料が高いので、30%を25%に下げさせたよ」と自慢げに話をしていましたが、お分かりいただけると思いますが、それは大きな間違いです。
前述しましたようにエージェントの利益構造は手数料です。
同じ人材を紹介するのであれば、手数料の高い方に紹介するのが当然です。
無暗にエージェントにお金を払うのがいいとは言いませんが、必要なところでお金を渋るとエージェントからの紹介が少なくなる傾向にあることは理解しておくべきです。
エージェントすべてが上述のようなところばかりと言うつもりはありませんし、まったく違った手法を取るエージェントもあります。
ただ、エージェントの基本的なビジネス構造をしっかりと理解した上でエージェントと付き合っていかないと、いつまで経ってもエージェントから紹介がなく、結果、採用できないという事態を招く可能性が高くなると思います。

●付き合っているエージェントを見直してみる

エージェントが業績を上げるには、なるべく多くの方を企業に紹介することが必要です。
その結果、分業して業務を効率化させ、スピード化を図るエージェントが増えています。
分業とは応募側である求職者の担当者と募集側である企業の担当者が、それぞれ別々に活動することです。
当然のことながら、効率が良くなり紹介のスピードは上がります。
その結果、エージェントが企業が求めている人材像を正確に把握出来ていないままの状態で、多くの人材が企業に紹介されるといったケースが増えてきているように思います。
最近はそれが一層顕著になってきている感じがしています。

企業がエージェントを利用する大きな目的は「効率的」に求める人材に出会えることです。
しかし、それに相反する現象が起こっていることが、なかなか採用に結びつかない原因の一つだと思います。

利用しているエージェントから紹介された人材がどのステップ(書類選考、一次面接・・・最終面接、採用)まで行っているのか等をエージェント毎に数値化してみるといいと思います。
紹介数が大事なのではなく、採用に結びつくかが重要であることは言うまでもないことです。
数値化した結果、紹介数は他社より少ないけれど採用成功率が高い等、エージェント毎の特徴がいろいろと見えてくると思います。

また、エージェントの中には企業側と求職者側を一人の担当者がみているエージェントもたくさんありますので、利用したことが無い場合にはそうしたエージェントを利用してみるのも一つの方法です。
まずは今、付き合っているエージェントを一度見直してみることをお勧めします。

●エージェントを育てる意識を持つ

エージェントから紹介された人材の書類を書類選考のために上司に見せるから、社長に確認するからといった理由で、1週間くらい平気で寝かせてしまう企業がありますが、そうしたことをエージェントの担当者は嫌がります。
冒頭で述べたようエージェントもビジネスであり、人材の紹介は営業活動です。
書類選考NGであれば別の企業に紹介となるので、出来るだけ早く答えが欲しい訳です。
私のお付き合いしている企業の中に書類が届いたらすぐに社長面接を行っているところがあります。
企業によって採用スタイルが違うので、社長一発面接を推奨するわけではないですが、エージェントから人材紹介の書類が届いたら、迅速に対応することが大切なのです。
そうした細かな点に気をつけるだけで、エージェントとの関係は良くなっていくと思います。

また精神論的な話ではありますが、頑張っているエージェントには、時には経営陣との食事会の席を設けるなど、労をねぎらうことも必要です。
それだけでなく、幹部採用などの特別な採用(=年収が高い)があれば、それをそのエージェントだけに任せるといったこともありだと思います。
そういったことの積み重ねによって信頼関係が強くなっていくものです。
その他、求職者から質問がありそうなことをQ&Aにまとめてエージェントに渡したりするなど、エージェントが動きやすい関係と環境を作っていくことも効果的です。

要はエージェントを育てていく意識で接することで、一緒に採用を成功させる同志としての関係を築いていくことが、採用成功につながっていくのです。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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