オルタナティブ・ブログ > 経営者必読! いまどきの採用・教育・若者 >

私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

2018年採用スケジュール、中堅中小企業こそ攻めの姿勢で

»

元記事はこちら

今年も3月1日に新卒採用ナビサイトがオープンして採用活動が解禁となり、2018採用がスタートしました。
と言っても大手企業の中には既に水面下で動いていて、6月1日の選考開始日に来てくれた学生に即内定を出すといったところもあります。
私がリクルートに入社した30年前にも「青田買い」を防ぐための「就職協定」がありましたが、正直守られていませんでした。
ので、過去30年、この手のルールが守られた試しがありません。(苦笑)

しかし、そんな状況だからこそ、2018年採用は攻めの姿勢が大切になってきます。
今回は2018年採用を成功させるためのスケジュールについて考えてみたいと思います。

●「大手企業が終わってから」は大きな間違い

中堅中小企業のTOPや人事担当の方と話をすると「大手企業と同時期に採用活動をしても勝ち目がないから、大手が終わった頃から採用活動をスタートする」と言う方がいらっしゃいます。
確かにインターンシップが採用活動の一つとして定着してきている現在、大手企業は夏休み&冬休みのインターンシップに参加した学生の中から優秀で採用したい学生に目をつけて、早期に接触をしてある程度の絞り込みを行っています。
で、その学生が選考に来た時点で即内定を出すというところもあります。

そこまでではないにしてもインターンシップである程度学生との接触ができている大手企業はエントリーシートの提出期限を早め、会社説明会や面接などの選考を前倒しで行い、早い段階で内定を出して、優秀な学生を確保しようと動いています。

新聞などで「2018年新卒採用戦線は短期決戦」と言われるのはこうした背景からです。

ので、大手企業との直接対決を避けて、大手企業の内定出しが一段落した頃から本格的に動くという中堅中小企業の気持ちはわからないではないです。
しかし、そのスタンスで新卒採用に臨んでいる限り、優秀な学生を採用することは難しいと思います。
自社の将来を背負っていく優秀な学生を採用するためには早期から動く、攻めの姿勢が何よりも大切なのです。

●売り手市場で、大手企業への就職希望者が増加しているが、実際は・・・

リクルートワークス研究所の調べによると、2017年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.74倍で2016年卒の1.73倍とほぼ同じ水準です。
こうした高水準の状況を受けて、大手企業志望の学生が増えているのは確かです。
しかし、この1.73倍という数字はあくまでも全企業の平均です。
これを従業員規模別にもう少し細かく見てみると1000〜4999人規模では1.12倍に下がりますし、5000人以上規模では0.59倍と1を大きく割り込みます。
それに対して、300人未満規模は4.16倍と跳ね上がります。

私が攻めの姿勢が大切だという理由の一つはここにあります。
バブルの時代は二人に一人が一部上場企業に就職したと言われていますが、今は大量採用から厳選採用へと変わっており、大手企業を志望する学生は増えても実際に就職できる学生は少ないのが現実なのです。
そして、優秀な学生ほど冷静にその現実を理解して就活を進めていますので、中堅中小企業も視野に入れて就活している学生が結構います。
だからこそ優秀な学生を採用したいのであれば、早期から採用活動を行って内定を出していくことが大事なのです。
"先手必勝"こそが中堅中小企業の2018年採用のキーワードと言えます。

●内定フォローをしっかり行えば、辞退する学生は半減する

「そんなことを言われても当社は知名度もないし、大手企業のような福利厚生施設もない。内定を出したら内定辞退が出て一人も残らないということになるのではないか」と不安に思う方もいると思います。

しかし、欲しい学生に熱い想いで接してきちんとした内定フォローを行えば、入社してくれる学生は必ずいるものです。

私が採用をお手伝いしている中堅中小企業では、学生の志望職種や学生のタイプごとにフォローの仕方を変えるなど細分化した丁寧な内定フォローを行うことで、今では内定を出す欲しい学生の60%が確実に残るようになりました。

「それだけ丁寧な内定フォローをしても40%は辞退するのか」と言う人はちょっと考えが浅はかかもしれません。
大手企業でも一定数辞退が出るのですから、60%残れば、大成功と考えるべきです。

そうやって一人でも二人でも優秀な学生を採用することができれば、次年度に繋がっていきます。
採用した学生が自分の母校の優秀な後輩を引っ張ってきてくれることもありますし、その後輩がまた次の年へと繋いでいってくれます。
いわゆる「類は友を呼ぶ」です。

なんとか頑張って、こうした好循環をつくることが出来れば、その大学とのリレーションも良くなっていき、加速度的に採用しやすくなっていくことが私の経験上明らかです。

2018年採用スケジュールを攻めの姿勢で臨むことは今年だけではなく、自社の将来を考えた未来の新卒採用という視点からも重要なことなのです。
私も攻めの採用手法や学生個々の状況に合わせた内定フォローなどを考え、提案していくことで、中堅中小企業の新卒採用の成功確率を高め続けていきたいと思っています。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

個別無料コンサルティング

Comment(0)