私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

5月病から6月病へ〜新しい時代のメンタルマネジメント〜

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5月病という言葉は誰もが1度は耳にしていると思います。
しかし、最近はそれが5月ではなく6月に症状が出る6月病へと変化してきています。
その原因の一つは新入社員研修期間の長期化と言われています。
「今までよりも丁寧に教育しているのに6月病になるとはどういうことか?」と感じる人もいると思いますが、環境の変化にうまく適応できない人が増えているのも事実です。

様々なご意見があるかと思いますが、会社全体で6月病にも上手に対応していくことが、これからの企業には求められているのです。

●昔からあった5月病

「5月病」とは、新入社員が新しい環境に適応できずに精神的、気分的に調子が悪くなる症状のことで、先述させていただいたように多くの人が耳にしたことがあると思います。
「新社会人として頑張るぞ!」と熱い気持ちで入社式を迎え、新入社員研修を終えて、いざ配属されると先輩社員のすごさを目の当たりにして、自分が思っていたのとは違う状態に不安や焦りを感じ始めてしまうのです。

ただ、4月のうちは気持ちが張り詰めていますが、ゴールデンウィークで実家に帰ったり、学生時代の友人と会ったりすると緊張の糸が切れて連休明けから、なんとなく疲れやすい、集中できず意欲がわかないといった状態に陥るのです。

私が社会人になった30年前のリクルートは4月1日の入社後すぐに配属され、4月2日からは営業として新規のアポイントを取るために毎日電話をかけまくっていました。
しかし、そう簡単にアポがとれるはずもなく、当たり前のように話の途中で電話を切られたりもしました。

ゴールデンウィーク中はアポとり電話から解放されてホッとした分、連休明けは「また電話の毎日かぁー」と少なからず憂鬱な気分になりました。
でも同期の励ましや私自身の持ち前の明るさ(笑)で、なんとか5月病とは無縁に過ごすことが出来ましたが、当時、5月病になる同期が出ても不思議じゃないよなとも思っていました。

5月病は、完璧主義者や物事に対してこだわりを持っている人、内向的な人や過保護な環境で育った人がなりやすいと言われ、その症状が5月に出るケースが多いため「5月病」と言われてきました。

●症状が出る時期が5月から6月へ

ただ、ここ最近は「5月病」から「6月病」へと症状が出る時期がズレてきていると言われています。
その理由の一つとして新入社員研修の長期化があると言われています。
新入社員研修を長めにとる企業が増えてきたのです。

研修期間が長くなることで、実際に配属され、実務をスタートする時期が当然遅くなります。
その結果、6月に入って仕事の厳しさを感じることになり、症状が現れ、「6月病」と言われるようになってきたのです。

「こんなはずじゃなかった」と失望し、仕事や人間関係にうまく対応できなくなったりして大きなストレスを抱え込んでしまい、そのストレスを溜め込んでいき、重苦しい気分になっていきます。
ジメジメとした6月の梅雨の気候も、こうした重苦しい気分に拍車をかける要因の一つと言われています。

しかし、6月病は新入社員だけの症状とは限りません。
4月からまったく違う部署に異動になった社員や、昇進で新たに役職者となったベテラン社員、新しいプロジェクトを任された中堅社員なども6月病にかかることがあると言われています。

要は環境の変化に気持ちがついていけずにうまく対応できないと新入社員、既存社員共に6月病になる可能性があることを認識しておく必要があります。

●6月病にどのように対応していくか

5月病、6月病になるのは「気合いが入っていないからだ」という方もいるかと思います。
実際、多くの場合は一過性の心身の不調で1〜2カ月もすると自然に環境に慣れて、症状が改善されていきます。
反面、放っておいてさらに症状が悪化して業務に支障をきたすケースが増えていることも事実です。

5月病も6月病も医学用語ではなく、その時期に起こる心身の不調の総称です。
医学的に言えば「適応障害」に分類され、症状がひどくなれば「うつ病」になっていきます。
そうならないように企業としての対応も必要な時代になってきているのです。

6月病の予防だけが目的ではありませんが、ある企業では新入社員研修で3か月かけて全部署を回らせ、会社のことをきちんと理解させると同時に自分に合った仕事を肌で感じさせるようにしているところがあります。
会社側も新入社員の適正を正確に把握した後に配属出来るといったメリットもあります。

また、配属部署でうまくいかなった場合、「適材適所」の考え方から2回までは無条件で配置転換を認めている企業もあります。

そのほか、先輩社員が新入社員の相談役となるメンター制度の導入もここへきて見直されてきています。
メンター制度の導入の際に大切なのは、配属部署とはまったく違う部署や本社と支社といったように普段の職場とは直接関係のない人をメンターにすることです。

営業担当の新入社員に直属の営業の先輩メンターをつけても日々の職場での関係と変わらず、アドバイスも普段の職場の延長となってしまい、かえって余計に追い込んでしまう場合も多々あります。

決して腫れ物に触るようにすることはありませんが、環境の変化に戸惑っている状態ですので、新しい環境に1日も早く馴染めるようにフォローしていくことが大切だと思います。

「気合いが入っていないからだ」はもう古いと思います。
これからはこういう新しいリスクも加味しながら、いかに新しいスタイルのマネジメントを構築していくかが各企業に問われてきていると思います。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

(動画)お客様対談2:現代の若手人材に対する新マネジメント論

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