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私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

新卒採用コストはいくらくらいが適正なのか

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「お金をかけている割にはいい人が採れない」「他社はどの程度の採用予算を割いているのだろう」など、新卒採用のコストで頭を痛めている方も多いと思います。
出来るだけコストを抑えていい人を採用したいというのが、経営者、採用担当者の本音だと思います。

今回は新卒採用予算を有効に使うにはどうしたらいいかをお話したいと思います。

●新卒一人あたりの採用コスト
「新卒学生を一人採用するのにいくらかかるのか」というのは、経営者、採用担当者であれば誰もが一度は考えることだと思います。
文系100万円、理系150万円と言われた時代もありますし、ネットで検索してみるといろいろな金額が出てきます。

また、概算金額を知る方法としては、就職ナビなどへの掲載費や合同説明会などのイベントへの参加費、出張費、学生との飲食費などの合計金額を採用人数で割るというものもあります。

採用媒体の営業担当者に聞けば、競合他社の媒体利用金額の概算は教えてくれるところが多いです。
しかし、採用には面接した学生への交通費をはじめ、様々な費用がかかりますので、この金額はあくまでも概算であり、参考程度に考えていただければと思います。

また、採用コストは業種や企業規模などによって変わってきますし、採用する人数によっても変わります。
また、以前とは違い、採用媒体も多様化してきていますので、SNSなどを活用することにより、コストをかなり抑えるという方法も出てきています。

つまり、新卒採用コストは○○○円が適正ですといった金額はないのです。
自社の採用を見直した時に掛けた費用に対して、満足のいく人材が採用出来ている(=会社の業績に貢献している)のであれば、その費用は適正なのであり、やたらと他社と比較をしたり、闇雲にコストを下げたりしようとする、その気持ちはよくわかりますが、実際にはあまり意味がありません。
採用コストを削減したことによって、いい人材と出会う機会を損失するようなことがあれば、本末転倒と言わざるを得ません。

●採用コストを抑える工夫
闇雲にコストを下げたりするのは意味がないとは言っても、採用コストは可能な限り抑えたいというのは当然のことだと思います。

コストを抑えるためには、社内のリソースをいかに有効活用するかがポイントになります。
特に中堅中小企業の場合、結局、最後は「人対人」で決まることが多いので、リクルーターを任せる社員の人選から、リクルーターをいかに効果的に学生と接触させていくか、こうした点を緻密に考えて、実行するだけでもコストは大きく変わってきます。

また、経営者、採用担当者が大学のキャリアセンターを地道に回って、パイプを作っていくことも数年後のコスト削減につながる可能性があります。

今の時代、就職ナビの利用や自社の採用ホームページの充実も重要ですが、そこにばかりお金をかけるのではなく、自分たちが行動することで、採用コストを抑えることが出来るはずです。

自社の採用上、何が問題なのか、その為の解決策は何かを頭で考え、戦略を立て、あとは手や足を動かすことも大切だと思います。

●限られた採用コストを有効に使うために
当たり前のことですが、採用予算を有効に使うためには、採用上の課題を解決することが出来そうなところに費用をかけるべきです。
私は、起業を目指す学生の支援も行っているのですが、仮に起業志向のある学生(=比較的、自立した学生が多い、と言われている)を採用したい、ということであれば、選考時or内定後、いくらかの予算を任せて新規事業を企画させることで、会社にも興味を持ってもらい、入社に導くという方法もあります。

なかなか優秀な学生が訪問してくれない、ということであれば、比較的、企業規模にこだわらず優秀な学生が参加してくれる可能性があるインターンシップを最初の出会いとして、結果、自社への入社まで引っ張る企業もあります。

その他、内定辞退を防ぐために内定学生達に次年度の採用活動で使用する入社案内パンフレットを作成させるという方法もあります。
内定辞退を防ぐだけでなく、学生目線での自社の魅力や改善に関する意見が出るので、今後の採用活動を考えていく上でもプラスになります。

要はこれまでの採用活動を振り返ってみて、自社の強み・弱みを分析し、コストをかけるべきところにはかけ、削減できるところは削減していく、そうしたことの繰り返しが、自社にとっての適正な採用コストに近づける方法だと思います。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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