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私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

学生のみなさんへ どうして内定が得られないのか

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私はこれまで様々な立場から人事業界から採用の"現場"を見て、自らも実践者として多くの企業を支えてきました。
また縁あって学生のビジネススクールの運営に関わっており、最近の学生の生の声にも触れています。
7月に入り新卒採用活動も一般的には終盤、企業によってはもう終了、という時期になってきました。
既に内定をもらっている学生も多いかと思いますが、まだこれからの学生もいると思います。
まわりがもらっている中ですから、まだの方は焦っていると思いますし、なかなか内定がもらえないことで
自信がなくなってきている学生もいるかもしれません。

今回はそのような学生の皆さんへの参考として「どうして内定が得られないのか」をテーマに進めていきます。
これまで多くの企業の採用に携わってきた経験や現在の状況、対応策を含め、考えを述べていきますので、少しでも
学生の皆さんの参考になれば幸いです。

1.世の中は大手企業ばかりではない

世の中は大企業ばかりではなく多くの中堅、中小企業が存在しています。
しかしながら、就職活動(以下、就活)での人気は大企業に驚くほど集中しています。
2014年卒大卒求人倍率(求人総数÷民間企業就職希望者数)は1.28倍ですが、従業員5,000人以上の大企業に絞れば
0.54倍という高い倍率(=狭き門)になっています。反面、従業員300人未満の中小企業に絞れば3.26倍という倍率(=広き門)になっています。
(リクルートワークス研究所調べ)

学生が大企業を志望する理由はいくつかあると思いますが、ブランドや友人の反応が良い、など実はあまり重要ではないものに
固執していることが、その大きな理由の一つであると感じています。
そのため、いくら自己分析をしても、情報収集をしても、結局、行き着く先は大企業になっているように思います。

最近では就職浪人という言葉も聞かれるようになりました。
これは目的だった企業に入れなかったからともう1年大学に留まり、翌年、再度挑戦するというものです。
しかしながら、毎年新しい学生達が就活にチャレンジする中、就職浪人した学生を企業は積極採用するでしょうか?
就職浪人中の1年間、就職活動以外に自己を磨き、結果、1年後輩の学生達よりも「成長」した、ということであればまだしも、
実際には1年後輩の学生達に交じって、二度目の就活を「普通」にやっている学生がほとんどです。

もう就職活動も終盤になっていますので、学生の皆さんはぜひ改めて冷静に世の中を見わたして、チャンスを探してもらいたいと思います。

2.先を見据えてチャンスを掴む

そこで、まだ内定が出ていない学生の皆さんへ私からの提案は、10年先を見据え、魅力的な中小企業を探そう、というものです。
ご存じのように世の中は非常に変化が早くなっています。
数年前まで人気企業だった会社が大きく衰退していることはもう珍しくありません。
それにも関わらず大企業だからという理由を就職活動の中心にしていることは大きなリスクだと思います。

中堅、中小企業の中には今は人気がなくとも技術力や自社ならではの強みを持ち、これから大きな成長を遂げる会社がいくつもあります。
であればまわりに流されず、先を見据え、チャンスを掴むことが、長い目で見ると皆さんにとって有益になるのではないでしょうか。

そういった優良中堅、中小企業への出会い方ですが、就職ナビや大手就職情報会社が主催しているフェア等での出会い方もありますが、ハローワークや商工会議所等が主催している就職イベントでの出会い方などもあります。
ハローワークや商工会議所等が主催している就職イベントはあまり皆さんに知られていないため参加者は多くありません。
逆に言いますと企業(社長自らが来ていることも多いです)とじっくり話せ、自分を落ち着いて売り込むチャンスになりますので、
そういったイベントも是非、探してみて下さい。

就活が皆さんにとって満足なものになるよう願ってやみません。

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